NoOpsのコミュニティーイベントに“Opsの味方”が登場 「NoOps? よろしい、ならば戦争だ」:NoOps Meetup Tokyo #1(3/3 ページ)
「運用のうれしくないことをなくそう」というテーマで行われたNoOpsコミュニティーのイベント「NoOps Meetup Tokyo」。そこに何と「Opsの味方」を名乗る日本マイクロソフトの真壁氏が登壇。両者は決裂するのか、それとも和解するのか……?
Opsの味方から、NoOpsコミュニティーへの提案
ですから、ここでNoOpsコミュニティーに提案です。
まずは「Disらない」。新しいことを始めるとき、正義感からか過去を否定するケースが出てきがちです。ただ、それぞれの持ち場で頑張っている人たちを無意識にDisらないようにしてほしいと思います。でないと、運用者が協力しようとしたときに気持ちがくじかれてしまうかもしれないので。
2つ目。「べき論」はいらないのではないでしょうか。NoOpsに限らないですが、最近やたらと「べき」が多いと思いませんか? NoOps関連だと、インフラエンジニアもコードを書く「べき」とか、IaaSよりPaaSを使う「べき」といった話が出てきそうなものです。ちょっとハードルが高過ぎて引きますよね。
私の今日のダジャレはこれです。「べき」という言葉を「武器」にするとうまくいくんじゃないかと。誰の方を向いて仕事をしているか、誰に貢献するか。それはお客さまや仲間だったりすると思いますが、その時々に必要となる手段、それは相手で変わる。“べき”という言葉で画一化するより、さまざまな“武器使い”がいた方が面白いのではないかと思います。
前向きにやめる
そして最後の提案です。これが一番言いたいことです。それは、前向きなやめ方、やめるファースト戦略を共有しようということ。戦略的にやめないと、新しいことができませんよね。
Microsoft社内の話ですが、オンプレミスにあった6万台のサーバを撤廃し、Azureへ移行した例がありました。どうやって移行を検討したのか。最初の判断基準は“退役”です。このシステムを移行せずに捨てられないか。次にSaaSへ移行できないか。それができなければ適切なPaaSがないか、それもなければIaaSに、としました。
私は以前、日本ヒューレット・パッカードにいたのですが、そのとき社内のシステムをVMwareで統合したときも、まず「このシステムは捨てられないか」から始めて、捨てられなかったら仮想化基盤に乗せることにしました。
というわけで、まず捨てられるかを考えるというのは、ITの世界では、もしかしたら日本以外では常識なのではないかなと思います。
「ノー」と言いやすいキャラになろう
すると次にこの問題に必ずぶち当たります。それは「捨てられる、止められることを誰が決められるのか」ということです。それを自分で決められるという人は、それほど多くないと思います。
ただ、このNoOpsコミュニティーの第一回に参加した皆さんなら、社内で「ノー」と言いやすいキャラになれるかもしれません。しかも前向きに。決める人はおそらく偉い人ですから、その人に「こうだから捨てられませんか」という話を前向きにできるようになればいいなと。
そのためには、技術だけではなく説得力のあるネタが必要だなと思います。こういうネタをNoOpsコミュニティーで技術の話だけでなく、こうやって社内のシステムをなくしたよ、といったストーリーなども共有してほしいと思います。
テクノロジーとストーリー。これを共有して、コミュニティーに閉じこもらず、決める人にも届くようにと願っています。ということで、今私はここに「NoOpsの味方」を宣言して終わりにしたいと思います。
この記事は、新野淳一氏のブログ「Publickey」の記事「「NoOps? よろしい、ならば戦争だ」 NoOpsコミュニティに異議申し立てた「Opsの味方」 決裂か? 和解か? NoOps Meetup Tokyo #1」を許可を得た上で転載、編集しています。
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