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「ハッキリ言え!」が招く悲劇:ディルバート(579)
「陰口なんて何の解決にもならないし、文句は直接言ってくれ」と思う人は多いようですが、場合によっては、文字通り“陰”で言うだけの方がいいことも……?
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これだけ面と向かって悪口を言えたら、ディルバートもかえってすっきりしたんじゃないでしょうか。
“speaking truth to power”とは、「権力に対して真理を語る」「面と向かって権力者に都合の悪い真実を言う」という、非暴力的な政治手法を表す言葉です。語源についての説はさまざまですが、「冷戦時代を批判したクエーカー教徒が書いた1955年の本“Speak Truth to Power”である」という説や「1940年代に米国で黒人の公民権運動家Bayard Rustinが残した日誌に出てくる」という説などがあります。
“plague”は、名詞では「伝染病」や「疫病」を意味し、これが転じて「厄介な人」「災難」のことを指すときにも使います。“avoid ○○ like the plague”というと、「○○を疫病のように避ける」、つまり「決して近寄らない」とか「徹底的に避ける」という意味になります。
また、“plague”は、「疫病に感染させる」という意味の動詞でもありますから、転じて、「悩ます」「苦しめる」という意味で使うこともでき、“We have been plagued by complaints.”(苦情の嵐に悩まされている)という使い方もあります。
[翻訳・解説:Yvonne Chang]
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