Windows 10の面倒な動作検証とバージョンアップ、横河レンタ・リースはこうして切り抜けた:横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(10)(3/3 ページ)
前回の記事でもお話しした通り、今回はいよいよ横河レンタ・リースがWindows 10の動作検証と新バージョンの配布をどのように進めているのかを紹介します。そのポイントは、動作検証も配布も「3つのグループ」に分けて行うことです。
フェーズ2:本格展開フェーズ
動作検証が終われば、いよいよ全社員へとOSを展開していきます。当社では、ここでも「優先配布」「通常配布A(前半)」「通常配布B(後半)」と3つのグループに分けています。
優先配布の対象となるPCは約300台。ITツールを積極的に駆使して業務を行うモバイルユーザーが多い営業担当や、当社のソリューション販売に関わる人間の業務PC、そして各拠点の会議室などに配備されている共有PCです。
彼らに先行導入してもらうのは、後続のユーザーのために、技術的な課題や必要な情報のフィードバックを得ることだけではなく、大容量のアップデータによるネットワークの極端な負荷上昇を避けるためです。
当社では、製品としても提供しているアップデート支援ソリューションの「Unifier Cast」を利用し、拠点ごとに優先配布対象のPCへアップデータを配信した後、通常配布のPCへとアップデータを送信するという方式を採っています。Unifier Castは、サーバからアップデータを受信するPCの数を制限できるため、実際にはここまで細かくグループ分けを行う必要はないのですが、念のため、優先配布のPCからもデータを配信できるようにしています。
ここからは、通常配布としてA(前半)とB(後半)に分け、1000台を上回る台数のアップデートをしていきます。2つに分けているのは、トラブルの発生や問い合わせが集中し、ヘルプデスクへの負荷が上がりすぎることを避けるためです。
AとBを分ける基準は特にありません。トラブルが発生したときに業務が止まらないようにするため、同一部門内では、なるべくAとBが半々になるようにしたいところですが、それほど神経質に管理する必要はないでしょう。当社では、ざっくりと社員番号やマシン番号の偶数、奇数などで設定しています。そのルールも年1回見直すか、見直さないか程度です。
いかがでしょうか。あくまで1つの例にすぎませんが、これが皆さんの動作検証のお役に立てば幸いです。
気付けば2018年ももう終わり。年が明けると、いよいよWindows 7のサポート終了まで1年となります。最近は、Windows 10を導入する企業も増えていますが、それに伴って、複数のお客さまから同じような相談を受けることも増えてきました。次回はそんな「よく受ける相談」をテーマにWindows 10運用のポイントを紹介します。お楽しみに!
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