コレ1枚で分かる「ビジネス成長につながる『ビジネスプロセスのデジタル化』」:即席!3分で分かるITトレンド
「こうしたい!」という人間の思いをITを使って実現するには、「デジタル化されたビジネスプロセス」を作る必要がある。そこには4つのプロセスがあり、そのサイクルを高速で回すことで、ビジネス環境の変化に即応できるようになります。
この連載は
いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
「こうしたい!」――。そんな人間の「判断」がビジネスの起点となります。人間は、これを実現するためのビジネスプロセスを設計する。このとき「デジタル化されたビジネスプロセス」を作る必要があります。
「ビジネスプロセスをデジタル化する」ことには2つの意味があります。
1つは、モノやヒトにIDを付与して識別し、センサーやモバイル、Webなどを介して、ビジネスの過程や結果から生み出された「物事」や「出来事」を「データ」として取得できる仕組みをビジネスプロセスに組み込むこと。
もう1つは、機械と人間が一体になってビジネスの目的を達成するための最適な役割分担を機械に与えることです。決して全てのビジネスプロセスを機械に任せてしまおうということではありません。なぜなら、機械が得意なところや人間が得意なことがあるからです。その最もふさわしい組み合せを実現してビジネスの成果を追求することが、現実的かつ合理的なのです。
こうして生み出されたデータ(データ化)を、統計的手法や機械学習を駆使して「分析」し、人間が直感で分かるように、あるいは深く考察できるようにグラフやモニター、イメージなどとして「見える化」します。
見える化されたビジネスの過程や結果を見た人間は、「なぜ?」「どうして?」こうなるのかと「疑問」を持ち、そこから「仮説」を導いて、ビジネスプロセスをそのままにするか、変更するかなどの「判断」を下し、次のサイクルを回すことになります。
このサイクルを高速で回すことで、ビジネス環境の変化に即応できるようになり、ビジネスの成果を常に最適な状態に保つことができるのです。
このような一連の仕組みを作り、これを実践することが、「ビジネスプロセスのデジタル化」といいます。
著者プロフィール:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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