デジタルビジネスで負けたくなければ、この5つの要素に注目せよ ガートナーのトップアナリストが指南:Weekly Memo(1/2 ページ)
企業がデジタルビジネスを進めていくうえで考えるべきことは何か。Gartnerのトップアナリストが、この点について語った。その内容とは――。
デジタルビジネスにおいて必要となる5つの要素
「企業がデジタルビジネスを進めていくうえでは、必要となる要素が5つある。それを踏まえたうえで、自社としてのデジタルビジネスモデルを描くことが肝要だ」――。こう語るのは、米Gartnerのエグゼクティブバイスプレジデントでリサーチ&アドバイザリ部門を率いるピーター・ソンダーガード氏。新聞社主催のシンポジウムの講演などでおよそ1年半ぶりに来日したGartnerのトップアナリストである。
6月5日にプレスブリーフィングを行ったソンダーガード氏は、企業のデジタルビジネスを主なテーマにおよそ1時間半、熱弁を振るった。中でも冒頭の発言にある「5つの要素」と「デジタルビジネスモデル」の話が興味深かったので、ここではそれらの内容を基に、企業のデジタルビジネスについて考察したい。
まず、デジタルビジネスにおいて必要となる5つの要素とは、図1に示したように「ITシステム」「モノ(IoT)」「顧客(カスタマーエクスペリエンス)」「エコシステム」「インテリジェンス(データとアナリティクス)」である。
これらを企業の業務領域に当てはめると、ITシステムは人事や経理、モノ(IoT)は開発・生産・物流、顧客(カスタマーエクスペリエンス)は営業・マーケティング・顧客サービス、エコシステムはパートナーなど対外展開、そしてインテリジェンス(データとアナリティクス)は上記4つにそれぞれひもづく形で、図1のように中央に位置付けられる格好となる。そのうえで、これら5つの要素それぞれのテクノロジープラットフォームを構築すべきだという。
実は、ソンダーガード氏はこの5つの要素について、1年半前に来日して会見した際も、2016年10月11日掲載の本コラム「ガートナーが説く『企業のデジタル化に欠かせない5つの要件』」にあるように考え方を示していた。
今回はそこからデジタルビジネスのテクノロジープラットフォームを図2のようにアーキテクチャとして描き、それを踏まえた上で“自社としてのデジタルビジネスモデルをどのように描けばよいか”といったところまで掘り下げたのがポイントである。同氏は図2について、「個々の要素もさることながら、デジタルビジネスにはこれだけのテクノロジーが必要になってくることを示すために作成した」としている。
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