NTTデータとGoogleの協業でどんな“化学反応”が起きるか 最先端の「共創の場」が生み出す世界:Weekly Memo(1/2 ページ)
NTTデータがデジタルビジネスのデザイン拠点を東京・六本木に開設し、そこで活用する最新技術でGoogleと協業する。果たして、どんな“化学反応”が起きるか。
NTTデータがデジタルビジネスのデザイン拠点を開設
「コンセプトは“Fluid Experience Design”。流れるようなデザインプロセスで、次世代のサービスを生み出していきたい」――。NTTデータの風間博之 技術革新統括本部技術開発本部長は、同社が5月25日に開いたデジタルビジネスのデザイン拠点の開設に関する記者会見でこう力を込めた。
新拠点の名称は「AQUAIR(アクエア)」。場所は東京都港区六本木の泉ガーデンタワー36階で、6月11日に開設する。5月25日には現地で会見とともに開所式と関係者へのお披露目が行われた。
AQUAIRは、顧客のデジタルビジネスの企画から実証実験・マーケティングまでをシームレスに実現するためのデザインスタジオである。NTTデータグループのほか、博報堂や乃村工藝社のマーケティングや空間デザインなどの専門家が常駐。さらに、Googleのクラウドサービスによる最新技術や知見を活用して、顧客の新しいビジネスを実現するという。
風間氏はその設立の背景について、「デジタル化の進展に伴い、ビジネスの競争力強化と新たな付加価値の創出に向けて、革新的な取り組みが求められている。革新的なデジタルビジネスの実現には、デザイン、ストラテジー、テクノロジーを掛け合わせて新たなアイデアを即座に形にできる“場”が必要だ。先進的な環境で、各分野のスペシャリストとともに、お客さまと新たな戦略やアイデアを具現化するために、このスタジオを設立した」と説明した。
AQUAIRでは、最新の技術やワークスタイルが体験でき、実証実験のための仮設店舗も備えている。仮想現実(VR)やリアル空間のプロトタイピング、実証実験によるユーザーの行動・感覚の分析、マーケティングへの応用まで幅広く支援する構えだ。
AQUAIRの体制としては、ビジネスコンサルティング、ユーザーエクスペリエンス(UX)サービスデザイン、テクニカルアーキテクト、ソリューションアーキテクト、コミュニケーションデザインといった各分野の専門家でチームを結成し、顧客と共に活動していく形になる。NTTデータグループからは各専門家を合わせて20〜30人が常駐する予定だ。
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