会議を変え、生産性を高める「88の質問」:ファシリテーション・パラダイス(1/2 ページ)
会議の進行役は、会議で発生するさまざまな局面をうまくハンドルするため、適宜、質問を投げかけていく必要があります。そんなときに役に立つ88の質問を、20の状況に分けて紹介します。
この記事は新岡優子氏のブログ「ファシリテーション・パラダイス」より転載、編集しています。
2019年2月に、『仕事の質が劇的に上がる88の質問』というタイトルの書籍を出版しました。
原稿を執筆するにあたって、70くらいの質問はすぐにピックアップでき、その後、いくつかの状況に分けて質問を選別し、増やし、88まで決めました。執筆の際に心掛けたのは、「網羅性のある質問にすること」と「実際に使える内容にすること」です。
本記事では、88の質問を列挙します。これらの質問は全て、会議の場で進行役が使う質問であり、20の状況ごとにまとめて紹介しています。中には会議の参加メンバーが使える質問もあれば、1対1のコミュニケーションでも使えるものもあります。
もし、興味のある質問があったら、立ち読みでもよいので、書籍を手に取ってみてください。書籍では、一つ一つの質問を、会話の実例も入れながら詳しく解説しています。また、88の質問以外にも、5つの基本的な口ぐせ、3つの基本的な振る舞い、16のコラムを掲載しているほか、私がよく聞かれる9つの質問に対する回答も記載しています。
1. 互いの思いや意図を共有するための質問
1. どうしてそう思ったの?
2. 〇〇とは具体的にどのようなこと(状況)ですか?
3. 〇〇を別の表現で言うと何ですか?
4. 今議論していることとどのように関係していますか?
5. 念のため確認させていただきますが、それは指示ですか、提案ですか、それとも感想ですか?
2. 話しの長い人、ズレる人へ対処するための質問
6. 発言のポイントは何ですか?
7. 今の話はこの議題とどのように関係していますか?
8. この件について他の人はどう思いますか?
9. ところで今チームは何について話していますか?
3. 発言の少ない人、思考停止している人、ネガティブな人への質問
10. 皆さん、どうですか? ……(無言) Aさん、どうですか?
11. AさんとBさんの話を聞いて、Cさん、どう思いましたか?
12. ここまでの話を聞いてどう思いましたか?
13. 自分の言葉で言うとどうなりますか?
14. 本当ですか?
15. これができるとうれしいですか?
4. 十分な発想ができないときに使える質問
16. 案を出すことと、それを評価することを分けて考えましょう。他にどのような案が考えられますか?
17. 別案を出して、このアイデアの優位性を明確にしてみましょう。どうですか?
18. 他にどのような視座(しざ)がありますか? その視座で考えてみるとどうなりますか?
19. ここまでどのような視野で考えてきましたか? 見えていなかったものは何ですか?
20. 視点を変えてみましょう。他に何がありますか? その視点で考えてみるとどうなりますか?
21. 例えば〇〇はどうですか?
5. 可視化するときに使える質問
22. ここまででどのような意見が出てきたか整理してみましょう。どうですか?
23. ここまでの話を整理してみました。間違えていたら指摘してください。どうでしょうか?
24. 一言でどう書けばいいですか?
25. 自分で書いてもらっていいですか?
26. 言いたかったことはこれでいいですか?
27. ここまで出てきた意見を互いに確認し合ってください。どうですか?
28. この〇〇の意味は何ですか?
6. 対立、葛藤、混沌に対処するための質問
29. 念のため、もともとの会議の目的を確認しておきましょう。〇〇でいいですか?
30. 今は〇〇というところまで話が進んでいるということでいいですか?
31. 今チームはどういう状態ですか?
32. 論点を絞って議論していきましょう。何がポイントでしょうか?
33. 今の状況を確認したら、[〇〇しませんか?/〇〇しましょう]
34. この問題はチーム全体の問題です。全員で相違点を考えてみましょう。どうですか?
35. どなたか今の状況を整理していただけませんか? 私とAさんの意見はどこが違いますか?
36. 私は〇〇と思いましたが、それについて皆さんはどう思いますか?
7. 結論を一つにまとめられない(収束できない)ときに使う質問
37. 判断基準は何ですか?
38. 皆さんの中にどのような前提がありますか?
39. さて、どうやって収束しましょうか?
40. これで本当に解決しそうですか? 納得感はありますか?
8. 行動につなげるための質問
41. 今日の議論の結果として、どのような行動を取りますか?
42. 私たちにサポートできることは何ですか?
43. どうしたいの?
9. 人や物に焦点を当てた質問
44. そう思っているのは誰ですか?
45. 誰がそれを[気にかけて/理解して]いますか?
46. 影響を受ける[人/物]は[誰/何]ですか?
47. [誰/何]が犠牲になっていますか?
48. キーパーソンは誰ですか?
関連記事
- 連載:「ファシリテーション・パラダイス」記事一覧
- “ダメ会議”を変える7つのコツ
会議に集まったはいいが、参加者が内職や居眠りをしていないだろうか。したり……。そんなダメ会議から脱却するために押さえるべき「4つのフェーズ」と「7つの基本動作」を紹介する。 - 「腹割って話せる度」と「プロジェクトの成功率」は比例する
プロジェクトを成功に導くカギとなるのは、“腹を割って話せる関係”であること。その関係を築き、プロジェクトの完了まで継続的するためのコツとは? - 敵は社内にあり! 抵抗勢力との向き合い方 「選べないメンバーで最強チームを作るには」
メンバーを選べないケースで抵抗勢力に負けない変革チームを作るにはどうしたらいいのか。その方法を伝授します。 - 今日から始める”組織の活性化” 「変化の習慣をもつ」ということ
組織を活性化させるには、「変化」を受け入れ、積極的に「変化」しようとする柔軟な姿勢が必要。そんな組織にするためには、どんな仕掛けを用意すればいいのか。 - “ダメ会議”を変えるコツ 「終了時に2つ確認せよ」
「“ダメ会議”を変える7つのコツ」で紹介した「終了時に2つ確認せよ」のポイントを解説します。これで、起こりがちな“認識のズレ”が防げるはずです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.