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スタンフォード大のフェイ・フェイ・リー博士、人間中心AIラボ「HAI」立ち上げ
Google Cloud AIのチーフサイエンティストの経験も持つスタンフォード大学のフェイ・フェイ・リー教授が、人間中心のAI研究所「Human-Centered AI Institute(HAI)」を立ち上げた。AIが人間社会に与える影響と可能性を研究し全人類にとってのよりよいAIを目指す。
米スタンフォード大学のフェイ・フェイ・リー博士は3月18日、人間中心のAI研究所「Human-Centered AI Institute(HAI)」を立ち上げたと発表した。AIが社会に影響を及ぼすであろう課題と混乱に対処し、AIが全人類にとってより良い未来を提供することを目指す。
リー博士は2014年から同大学のAIラボの所長を務め、2017年からは米GoogleでGoogle Cloud AI担当チーフサイエンティストも兼務していた。昨年10月にスタンフォード大に戻り、3年前から当時副学長だったジョン・エッチェメンディ教授と構想してきたHAIの立ち上げに取り組んでいた。
リー教授はGoogleにいる間、IT業界がAIに多大な投資をしているのを目の当たりにし、AIを必要とする多様な業界の顧客と協力したという。その経験から、人間中心のAI研究所の設立が非常に重要だと考えたとしている。
ビジネスや経済、教育、医学、哲学など、スタンフォード大学の多様な分野での強みを生かし、HAIをAIの影響と可能性を理解・活用したい学会や政府、企業などのための学際的でグローバルなハブにしていきたいとリー氏は語った。「われわれはAIが協調的に人間の生産性と生活の質を向上させるべきであると考えている」。
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