ニュース
AIを活用し患者ごとのがんワクチンを開発 欧米で臨床試験へ――NEC、疫治療法特化の創薬事業に参入
NECは、AIを活用した創薬事業に参入。仏Transgeneと共同で、がん免疫療法の個別化医療として期待される「ネオアンチゲンワクチン」の開発に取り組む。頭頸部がんと卵巣がんを対象に、治験薬を共同開発し、2019年内に欧米で臨床試験を開始する。
NECは2019年5月27日、AI技術群「NEC the WISE」を活用し、がんなどの先進的免疫治療法に特化した創薬事業に本格参入すると発表した。2025年に3000億円の事業価値の創出を目指す。
第一弾として、フランスのバイオテクノロジー企業Transgene(トランスジーン)と共同で、頭頸部(とうけいぶ)がんと卵巣がん向けの個別化免疫療法用「ネオアンチゲンワクチン」(TG4050)を開発。2019年内に欧米で臨床試験(治験)を開始する。
NECとTransgeneは、2018年10月にパートナーシップを締結。既に2019年4月に米FDA(米国食品医薬品局)から本治験実施の許可を取得している他、英国とフランスで申請中だ。
関連記事
- AIで大腸がんの予兆を検知 国立がんセンターとNECが開発
AIが医師の視覚をサポートすることで、大腸がんの予防、早期発見を支援する。 - 機械学習で術前の血液検査データから卵巣がんの特性を予測――理研の共同研究チームがAIを開発
理化学研究所の共同研究チームが開発した「卵巣がんの術前予測アルゴリズム」を用いると、術前の血液検査データから高い精度で卵巣腫瘍の良性、悪性の区別や、予後と強く関連する早期卵巣がんのクラスタを予測できる。 - AIで市民の健康状態を予測 6万人分の健診データで精度向上も――倉敷中央病院とNEC、予防医療で共創
岡山県の倉敷中央病院とNECは、AIを活用した予防医療に向けて共創を開始。将来の健康状態を予測する「NEC 健診結果予測シミュレーション」を用いて、約6万人分の健診データを分析し、健診結果の予測精度向上を図るとともに、発症予測まで視野に入れた技術検証に取り組む。 - 機械学習を駆使して「健康診断を受けない人」を減らす方法
ある自治体からの依頼を受けて、「年1回の健康診断の通知を受け取ったまま受診せずにいる人のうち、誰に受診を促せば受けてくれるのか」という問題に挑戦した分析チームがある。彼らはどうやって、この問題に答を出したのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.