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“AI×シミュレーション”で生産状況の変動を予測し、生産プロセスを最適化――NECと産総研が共同検証
NECと産業技術総合研究所(産総研)は、発生率が低い事象を予測できる「希少事象発見技術」を強化し、生産プロセスや生産計画の事前評価に適用する実証実験を実施。多品種混流生産プロセスの設計・評価を効率化し、生産プロセスの早期構築や生産計画変更が可能になる。
NECと産業技術総合研究所(産総研)は2019年5月30日、両者が共同開発した「希少事象発見技術」を強化し、生産プロセスや生産計画の事前評価に適用する実証実験を2018年9月〜2019年3月に実施したと発表した。
実証実験の結果、多品種混流生産プロセスの評価を効率化し、評価に要する時間を削減できることを確認。「生産状況の変動を想定し、生産プロセスや生産計画の最適化を支援するAI技術」として実証できたとしている。この技術により、専門家が1週間要していた評価作業を1日程度に短縮できると見込まれ、新規生産プロセスの早期構築や既存生産プロセスでの迅速な生産計画変更が可能になるという。
発生率が低い事象を予測――「希少事象発見技術」を強化した方法とは?
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