ニュース
仙台市、RPAで行政事務を最大95%効率化 実証を経て本格導入開始――RPAツール「ipaS」を活用
仙台市は、デリバリ―コンサルティングのRPAツール「ipaS」を活用し、9種類の行政事務作業を自動化する実証実験を実施。大量に発生する定型作業に加え、日常的に行う定型的な事務作業も対象に作業軽減効果を検証し、有効性を確認したことから、RPAの本格導入を開始した。
アイネスとデリバリ―コンサルティング(DLC)、三菱総合研究所(MRI)は2019年7月18日、仙台市と共同で実施した「行政事務におけるRPAツール利活用の有効性確認の実証」で、9つの行政事務作業にRPA(Robotic Process Automation)ツール「ipaS」を導入し、最大95%の業務負荷軽減効果が認められたと発表した。実証結果を受け、仙台市では2019年7月からipaSの本格導入を開始した。
ipaSは、DLCが開発したデスクトップ型RPAツール。PC上で行うマウスやキーボードのあらゆる操作を記録し、自動化する。画像認識機能により、PCの画面上に表示された画像、項目、値を正確に認識しながら操作を自動化するため、画面が表示される操作であれば、ノンコーディングでスクリプトを作成でき、どんなシステムやアプリケーションでも自由に制御できるようになるという。コマンドラインの操作もエミュレートでき、画面が表示されないバッチ処理(バッチプログラム)の自動制御も可能だ。
ipaSの自動化スクリプト作成画面。PC上でのマウス操作(クリック、ダブルクリック、ドラッグ、マウスホイール操作など)やキーボード操作を簡単に登録できる機能を備え、ノンコーディングでスクリプトを作成できる(出典:デリバリ―コンサルティング「ipaS」)
行政事務の自動化で最大95%の業務負荷を軽減
関連記事
- 18万時間分の業務自動化を目指し、RPA効果を“見える化”――ニチレイロジグループ、「Teachme Biz」を導入
低温物流事業を展開するニチレイロジグループは、スタディストのSOP(標準作業手順書)作成/共有クラウド「Teachme Biz」を導入。動画などを採用した分かりやすい手順書でRPAの効果を可視化し、社内のRPA化を推進する。2019年度に18万時間の業務のRPA化を目指す。 - AI搭載のRPAソフトウェア、NECがWorkFusionと提携し販売開始
NECはWorkFusionと戦略的提携を結び、AIを搭載したRPAソフトウェア「WorkFusion Smart Process Automation」を全世界で販売する。WorkFusion Smart Process Automationは、人が判断や修正をしていたような作業を、自動で継続的に学習する。 - ITは“お役所事情”を変えられるのか? RPA導入で茨城県庁が明かす「今の課題」と「必要な変化」
自治体がRPAを導入する例が相次いでいる。長時間かけていた業務を自動化するメリットは確かに大きい一方、導入の過程で“役所独特の壁”にぶつかることもあるようだ。現場の職員は、どうそれを乗り越えようとしているのか。 - 「RPAで40万時間削減」を掲げた損保ジャパン、導入後1年でどれだけ削減できたのか?
RPAの大規模導入が進む保険業界で、年間40万時間の削減を掲げた損保ジャパン。導入から1年がたち、目標としていた40万時間の削減には成功したのか? 同社が導入プロジェクトの全貌やその成果、そして乗り越えてきた課題について語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.