豊かな学びは「サブスク読み放題」から? 読書で伸びる子どもたち:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
ペーパーレス世代のビジネスパーソンにも「本は紙じゃないと」という意識は根強いもの。それでは、電子書籍世代の子どもたちにとってはどうでしょうか? 統計から見える興味深い傾向から、技術が広げる可能性と大人の責務を思います。
猛烈な台風が通り過ぎ、各地に大きな被害をもたらしました。まずは被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。最近は季節の変わり目が急で、秋がいつの間にか終わったかのような気候の日もありますが、今回は「読書の秋」をテーマにしたいと思います。
2019年の読書週間(2019年10月27日〜2019年11月9日)に合わせ、ベネッセコーポレーションの教育総合研究所が、子どもたちの読書に関する実態調査を発表しました。2018年は「読書量が多い子どもほど、学力が伸びている」という発表をしていましたが、2019年も興味深い結果を公開しています。
子どもたちの読書の「質」を分析、考える能力を伸ばす秘訣は?
今回の発表では、分析結果として3つの傾向が報告されています。
- 「いろいろな種類の本」を読んでいる子どもほど、読書の効果を感じている
- 多くのジャンルの本を読んでいる子どもほど学力が向上。特に「社会」の成績に効果
- 手に取りやすい切り口の、科学や歴史などの本が、読書のジャンルを広げている
【小学生の読書に関する実態調査・研究】幅広い読書が「思考力」や「創造性」にプラス効果(ベネッセ教育総合研究所)
興味深いのは、やはり「いろいろな種類の本を読んでいる子ども」が感じた変化です。1年間の読書履歴を基にした結果「多種多様な本を読んでいる」と回答した子どもと、そうでない子どもでは有意の差が出ているようです。特に、本を読む子どもに「分からないことを自分で調べるようになった」と回答した率が高いのは、個人的には希望が持てる結果だと感じました。
同調査の中では、その他さまざまな結果が報告されています。なんとなく「そりゃ、本を読めばそうなるよね」と思っていたものも、数値に基づいた報告としてまとめられると説得力が増しますね。振り返ってみれば、自分も人並みに本を読んでいた頃があったから、いろいろなことに興味を持つようになれたのかもしれません。
ちなみに、2018年の報告によれば、子どもたちは電子書籍を特に抵抗なく受け入れているという結果が出ています。
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