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AIで船の自律航行を目指せ――商船三井、東京海洋大らと共同開発に着手
商船三井は、MOLマリン、海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所、東京海洋大学と共同で、避航操船アルゴリズムと運航自動化に関する共同研究を開始する。自律航行の実現に向け、周囲の船による衝突リスクの危険がある領域を避けて避航航路を設定するAI技術を開発する。
商船三井、MOLマリン、海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所、東京海洋大学は2019年12月20日「避航操船アルゴリズムと避航自動化に関する共同研究」の実施で合意し、契約を締結したと発表した。この共同研究は「衝突自動回避アルゴリズム」と「自律航行/遠隔操船システム」の研究開発と評価、実用化を目指す。
「避航操船アルゴリズム」と「運航自動化」を実現するシステムとは
研究開発には、自船の針路に対する相手船(周囲を航行する船)による衝突リスクのある領域「航行妨害ゾーン(OZT:Obstacle Zone by Target)」を考慮した上で、危険を避けて航行(避航)する避航航路設定にルールベースや強化学習などのAI技術を応用する。
操船シミュレーターや実船を用いて、海技者が避航操船を含む自律航行/遠隔操船システムを評価した上で、システム開発と実船装備に備える。
自律航行船の実現に向けた「FOCUS」シリーズを展開
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