新型コロナウイルス対策で「在宅勤務」は2割増、約半数が今後の普及に前向き――楽天インサイト調べ(2/2 ページ)
7都府県対象の緊急事態宣言(2020年4月7日)直後の調査によると、勤務先に在宅勤務制度が導入されている人は全国で34.3%で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で在宅勤務をしている人は2割を超えた。また、5割近くの人が、今後の在宅勤務の導入・普及に前向きであることが分かった。
在宅勤務の結果、増えた時間と減った時間、メリットとデメリットは?
在宅勤務で増えた時間を聞いたところ、「家で食事をする時間」が53.4%で最も高く、次いで「睡眠・休息の時間」(45.1%)、「家事をする時間」(41.7%)と回答した人が多かった。
また、性別では女性が、年代別では20代が、「家で食事をする時間」や「家事をする時間」「料理をする時間」「SNSの利用時間」が増えたと回答している人が他の性年代よりも多かった。また60代では、「配偶者・パートナーと過ごす時間」(54.3%)と答えた人が、他の年代よりも多い結果となった。
一方、在宅勤務で減った時間は、多い順に「直接会って人と会話する時間」(61.7%)、「外食する時間」(54.4%)、「直接会って友人・知人と過ごす時間」(51.4%)、「運動する時間」(46.0%)との回答が続いた。
性別でみると、男性と比べて女性の方が「直接会って人と会話する時間」(79.1%)、「直接会って友人・知人と過ごす時間」(70.4%)、「外食する時間」(65.2%)、「外に買い物に行く時間」(58.8%)が減ったと感じている人が多かった。
在宅勤務でよかったことは、「通勤ラッシュ・満員電車を避けられる」が55.7%で最も高く、続いて「時間にゆとりができる」(37.2%)、「服装や見た目を気にしなくてよい」(34.9%)が高い結果となった。
性別でみると、女性は「通勤ラッシュ・満員電車を避けられる」(69.4%)、「服装や見た目を気にしなくてよい」(49.2%)をよかったこととして回答した人が男性と比べて多かった。
年代別では、20代で「服装や見た目を気にしなくてよい」(47.6%)が高く、60代で「よかったことはない、覚えていない」(22.4%)が他の年代よりも多かった。
また、中高生以下の子どもと同居している人は、4割以上が「家族と過ごす時間が増える」をよかったこととして回答している。
反対に、在宅勤務で困ったことは、「運動不足になる」が48.4%で最も高く、続いて「人との会話が減る」(33.4%)、「その場にいかなければいけない仕事が進まない」(28.2%)、「同僚や上司、部下とのコミュニケーションが難しい」(28.1%)が続く結果となった。
特に女性では62.1%の人が「運動不足になる」と回答しており、男性(43.2%)に比べて多かった。
さらに、困ったことに対して工夫していることがあるかどうかを聞いたところ、「運動不足になる」に対して「ラジオ体操やストレッチを行う」という回答や、「人との会話が減る」に対して「家族との会話を増やす」という回答がみられた。また、「その場にいかなければいけない仕事が進まない」や「同僚や上司、部下とのコミュニケーションが難しい」に対して、「メールや電話、テレビ会議の頻度をあげる」など、環境に応じてさまざまな工夫が行われている様子がうかがえた。
「ソーシャルディスタンス」を実施している人は全国で3割弱、若年層の実施傾向は?
「ソーシャルディスタンス」という言葉を知っているかどうかを聞いた質問では、「内容を知っている」人は、「内容を知っており、意識して行動している」と答えた人(28.9%)と、「内容を知っているが、意識して行動はしていない」と答えた人(16.5%)を合計した45.4%という結果だった。
ソーシャルディスタンスの内容を知っており、意識して行動している人の割合を性別でみると、男性の方が「内容を知っている」人がわずかに多いものの(男性:45.8%、女性:44.7%)、実際に行動に移している人の割合では女性の方が多い結果となった(男性:27.7%、女性:31.5%)。
年代別にみると、若年層になるにつれてソーシャルディスタンスを意識して行動している人がやや多い傾向にあり、60代では23.2%にとどまっているが、20代では31.1%が行動に移しているという傾向がみられた。
また、都道府県別でみると、東京都では42.2%の人が「ソーシャルディスタンスの内容を知っており、意識して行動している」と回答し、他県と比べ多い結果となった。
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