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JTが構築してきたベンダーとの”いい関係”、パラダイムシフトを乗り越えるIT活用とはベンダーのロードマップは3年先まで把握済み(1/2 ページ)

ニューノーマル時代の到来と共に、世界中で産業構造が変わろうとしている。そのような中、「たばこ離れ」という文化レベルのパラダイムシフトを乗り越えてきたJTは、ITをどのように生かしているのか。同社でデジタル変革を主導する、CIO グローバルオフィス担当部長の引地久之氏に話しを聞いた。

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 加熱式たばこに代表されるように、たばこのテクノロジーは進化している。日本たばこ産業(以下、JT)は、たばこビジネスをグローバル展開するために最新のITを導入し、数々のDX事例を生み出してきた。

 同社でIT部 CIO グローバルオフィス担当部長を務める引地久之氏は、外資系コンピュータメーカーの日本法人でIT統括を歴任し、企業合併による数々の大規模なシステム統合において責任者を務めてきた経歴を持つ。2008年からJTに呼ばれ、現在は同社のデジタル変革をリードする立場にいる。

 民生のコンピュータメーカーから独占産業への移籍は大きな転身に見えるが、引地氏によれば「大きな違いは無い」という。

JT 引地久之氏
JTの引地久之氏

 「JTは昔から、たばこの自販機を自社開発していた技術に強い会社だ。社内には知識とスキルのある技術者が大勢在籍し、特殊なエンジニアリングを行う工場も持っている。また、海外に研究開発センターを持ち、売り上げの7割が海外市場を占めるグローバル企業でもある」(同氏)

 同社のITは、2012年からマイクロソフトの製品をビジネスプラットフォームとして全面的に採用する方針のもと、ここ数年でクラウドへ移行を加速している。営業部門の顧客情報管理(CRM)も「Microsoft Dynamics 365」を基盤としたシステムが稼働している。

 「社員のコミュニケーション基盤も、『Microsoft Outlook』や『Skype』から始まり、『Microsoft Teams』が出てきて、現在は『Microsoft 365』にまとまりつつある。アプリケーション製品を積極的に導入し、購買や勤怠管理もクラウドに変えている」(引地氏)

IT部門と他部門の協調、外部ベンダーとの協力関係とは

 JTはIT部門としてどのようにベンダーを選定し、取引しているのか。引地氏はITの導入はIT部門だけでなく、社内の他部門との連携で取り組む必要があると述べる。具体的には、ITのシステム開発に関わる部分と、SaaSなどのクラウドアプリケーションの選定や運用とで、大きく分かれるという。

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