日本企業が取り組むべきAI活用3つの課題とは PwCがAI予測調査を発表(1/2 ページ)
PwCが実施したAI活用に関する調査によると、日本企業の38%が「AIによる既存ビジネスの創造的破壊」に対して「準備ができていない」と回答したという。同社が提唱するAIのビジネス活用において、企業が取り組むべき3つの課題とは。
PwCは2020年8月25日、日本企業のAI(人工知能)活用動向に関する調査結果と、AI活用のために日本企業が取り組むべき3つの課題について発表した。
同調査は2020年3月に「AIを導入済みまたは導入検討中」の日本企業に属する部長職以上、320人を対象に実施した。米国でも2019年10月に1062人の企業幹部を対象に、同様の調査を実施した。
日本と米国の回答結果を比較 創造的破壊に「準備ができていない」と回答したのは38%
「2020年にAIが貴社の既存ビジネスを破壊し始めることに対して十分に準備ができているか」という問いに対して、回答者の50%が「そう思う」「強くそう思う」と回答し、38%が「そう思わない」「全くそう思わない」と回答した。
米国で実施した調査では、同様の問いに対して「そう思う」「強くそう思う」と回答したのは82%で、「そう思わない」「全くそう思わない」と回答したのは15%だった。
PwCは、この調査結果について「日本企業と米国企業との間にある、ITイノベーションにおける実績のギャップが、AIに対する成熟度に関しても存在している可能性がある」と述べている。
「今後5年以内に脅威になると見ているAIに関するシナリオはどれか?」(11個の選択肢から複数回答)という設問において、「自社が事業を展開している産業セクターの1つ以上において、AIによる創造的破壊が起きる」と回答した割合にも差異があった。米国では35%だったのに対して、日本では15%だった。また「自社が事業を展開している地域別市場の1つ以上において、AIによる創造的破壊が起きる」と回答したのは、米国では32%で、日本では10%だった。
PwCは、同調査結果から「日本企業は、AIがもたらす脅威に対する意識が欠けている。確立された伝統的なルールの中で、ライバルと競合することだけに集中せず、AIによる創造的破壊に備えて、より多くの施策に取り組む必要がある」と述べた。
同社は、調査結果を受けて、日本企業がAIのビジネス活用に向けて取り組むべき3つの課題を挙げた。「どこから着手して良いのか分からない企業」や「すでに投資を開始した取り組みをさらに拡大しようとしている企業」「効果が出ないため、一時凍結していた取り組みを再開しようとしている企業」に向けているという。
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