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「新常態」で企業格差が広がる――日本の採用、育成のDXはなぜ遅れてしまうのか 成長のヒントを探る【特集】人材採用、育成のDX(1/2 ページ)

テレワークを中心に新しい働き方の模索が続く一方、人材の採用や育成をどう「新常態」に合わせるのか。企業や組織の人材コンサルタントは「日本企業のDXの遅れは、採用や育成の面でますます欧米との格差を広げている」と警鐘を鳴らす。それはなぜなのか。また、採用や育成を見直したい企業は、どこから手を付ければいいのか。

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 働き方の「新常態」が模索される中、首都圏を中心に多くの企業がオフィス勤務からテレワーク体制へと急速にシフトしている。テレワークへの転換を機に、従来の業務に見直しが必要になる場合もある。企業の人事もこの例外ではないだろう。これまで対面で実施してきた人材の採用や育成のプロセスを見直し、テレワークでも継続できる体制の模索が続く。

 採用面接や社内研修など、人材採用や育成業務の大半は、これまで人と人が直接対面する形式を前提としていた。そのため、他の業務と比べても、新常態に移行する際の課題は大きいといえる。

 これを機に、ITツールを積極的に導入してデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推し進め、採用や育成の在り方そのものを変えたいと考える企業は一体どれくらいあるのか。

経営層の多くが「すぐコロナ前の状態に戻れるから、DXは不要」と思い込む日本


クニエの喜島忠典氏

 これまで数多くの企業に人材マネジメントのコンサルティングサービスを提供してきたクニエの喜島忠典氏(Human Capital Management(HCM)チーム マネージングディレクター)によれば、積極的な人材採用、育成のDXに踏み切る企業は残念ながらごくわずかだという。

 同氏は「(コロナ禍を機に)当初は、多くの日本企業がこれまでの旧態依然とした人材マネジメント施策を変革するのではないかという期待がありました」と話す。

 しかし、同氏がこれまでヒアリングした企業の経営層や部長、課長といったマネジメント層のほとんどは、コロナ禍以前の状態への回帰を願うばかりで、変革を起こす兆しはほとんど見られないという。

 喜島氏は「私たちとしても、かなりの危機感を抱いています」と話す。

コロナ禍であぶり出された、日本の人事が抱える「コロナ以前からの課題」

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