世界の回答者の8割が、メンタルヘルスのサポートをAIに頼みたいワケ
コロナ禍の働き方と職場におけるAIの導入について調査した「AI@Work」の2020年度版が発表された。世界11カ国の約12000人の従業員やマネージャー、人事部門リーダー、経営幹部を調査対象とする。
日本オラクルは2020年11月4日、職場における人間とAI(人工知能)の関係を調査した「AI@Work」の2020年度版を発表した。コロナ禍における職場でのメンタルヘルスや労働環境、AIテクノロジーの導入状況などを調査した。
同調査は、2020年7〜8月にかけて世界11カ国、米国や英国、アラブ首長国連邦(UAE)、フランス、イタリア、ドイツ、インド、日本、中国、ブラジル、韓国で実施した。約12000人(米国2000人、各国1000人)の従業員やマネージャー、人事部門リーダー、経営幹部を調査対象とする。
グローバルで共通する4つのポイント 回答者の8割がAIにメンタルヘルスのサポートを希望
調査結果によると、下図のようにグローバルの7割以上が共通する4つのポイントが明らかになった。
日本オラクルは、調査結果の中で特に「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」という設問に着目する。
この理由について聞いたところ、回答者の34%が「ジャッジメント・フリー・ゾーン」と呼ばれる無批判で決めつけない環境を求めていることが判明した。30%は「問題を共有する上で、先入観のない感情のはけ口を提供されるから」、29%は「医療に関する質問に迅速に回答してもらえるから」とそれぞれ回答した。
上記の結果に加えて68%が「仕事上のストレスや不安を上司よりもロボットやAIに話したい」とし、80%が「ロボットやAIをセラピストまたはカウンセラーとして利用することにオープン」と回答した。これらの結果から回答者は、公平かつバイアスのかからない環境で、ロボットやAIに健康状態を相談したいという点が明らかになった。
実際に回答者の75%が「メンタルヘルスの改善にAIが役立った」と回答したという。回答者がメンタルヘルスにAIを利用するメリットとその回答率については下記だ。
- 「仕事の効率化に必要な情報の提供」(31%)
- 「作業の自動化と仕事量の削減による極度の疲労の防止」(29%)
- 「仕事の優先順位付けによるストレスの軽減」(27%)
日本オラクルによると、労働環境の改善についても、AIが役に立ったという調査結果が挙がった。回答者の半数以上は、AIが週間労働時間の短縮と長い休暇の取得に貢献し「従業員の生産性」や「仕事の満足度」「全体的な幸福」を向上させると回答したという。
グローバルとの比較 専門家が日本の状況について考察
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