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コミュニケーション基盤は複数SaaSを組み合わせよ 東工大が目指したベストオブブリードの構成とは

国内の大学と海外の先進的な大学を比較すると、DX推進に向けた人員や資金には大きな開きがあるケースが多いという。東工大は、この差を覆すためにDX推進の一環として、ベストオブブリードの構成でセキュアなコラボレーション基盤を構築した。ツールの選定から基盤の普及までどのような取り組みを進めたのだろうか。詳細を聞いた。

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 “デジタル技術を活用し、柔軟な発想を取り入れながら内外のコラボレーションを促進させたい。だがこれによって無用なリスクを招くことがあってはならない”。この難題に悩む企業や組織は多いはずだ。

 スーパーコンピュータ「TSUBAME」をはじめとする最先端研究の成果を生かし、複数のベンチャー企業を運営する東京工業大学(以下、東工大)も例外ではない。約1万人の学生と約3500人の教職員が所属する東工大は、海外を含め学外と積極的に交流し、産学連携で学内DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中で、セキュアなコラボレーション基盤の構築を目指している。

 東工大は、この取り組みの一環として、国公立大学で初めてファイル共有システム「Box」を全学導入した。2021年5月には、Boxに加えて複数のSaaSを組み合わせたベストオブブリードでコミュニケーション基盤の刷新を図り、教職員間での利用を開始した。同学がこれを実現するまでのプロセスと展開をうまく進めるための秘訣(ひけつ)を取材した。

学術機関を取り巻くDX推進の実情 SaaS導入のきっかけとは?

 「遅れているか進んでいるかという意味では、間違いなく教育業界のDXは遅れている。東工大も例外ではなく、決して初めからDXが進んでいたわけではなかった」と語るのは、東京工業大学准教授兼東京工業大学情報システム緊急対応チーム(東工大CERT)統括責任者の松浦知史氏だ。


東工大の松浦知史氏

 松浦氏によれば、国内の大学と、米国のスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などを比較すると、DX推進に向けた人員や資金に大きな開きがあるのが実情だという。同氏は「資金の差こそあるがDXに先進的な海外の大学と比べて、遅れているという自覚はある。これを巻き返す必要がある」と話す。

 東工大のDX推進は、こうした教育業界を取り巻く背景に加えて、2012年に引き起こした情報漏えい事件に対する強い反省も関係している。Webサーバ管理を外注した結果、情報漏えいの可能性が生まれたこの事件で、東工大は「人に任せているからと言って安全とは限らない」という教訓を得た。

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