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スモールスタートは危険? データ分析、全社展開のポイントゼロから作るデータドリブン組織への道(2)

データドリブン企業を目指して「まずはデータ分析を小さく始めて、うまくいったら全社に展開しよう」と考える組織は失敗に陥りがちだ。どんな落とし穴があるのか。リスクを回避するための方法を専門家に聞いた。

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 企業がデータドリブンな経営や戦略を実現するには、データを扱うスキルを持った従業員だけでなく、それを生かせる分析チームを育て、経営陣や他部門と協力できる仕組みを作る過程が不可欠だ。モチベーションやスキルを持った従業員がいても、全社に取り組みを広げる過程で技術的な課題を抱えたり、思わぬ反発に遭ったりしてうまく進まなくなってしまうリスクをどう回避すればいいのか。

 上記のようなリスクを理由にデータ分析を外注しようと考えるかもしれない。しかし「データドリブンな組織を目指すのであれば、データ分析チームを社内に作るべき」と語るのが、Qlikのケビン・ハネガン氏(CLO:Chief Literacy Officer 最高教育責任者)だ。同氏は、企業のデータ分析をサポートしつつ、実際にデータ分析に携わる人材を育成してきた経験を持つ。

 連載の第1回では、データドリブンな組織の理想形を明らかにしつつ、データ分析人材の育成に着手しても、彼らのスキルをうまく生かせない組織にありがちな課題を掘り下げた。第2回となる今回は、実際に日本企業にも多い「データ分析の外注」や「1人の従業員が自発的に始めた“ぼっち型”のデータ分析が成功し、そこから規模を広げようとする」ケースで見落とされがちな課題を明らかにし、そこから失敗を回避してデータドリブンな組織作りにつなげる方法を探る。

データ分析を外注すると“データドリブン”になりにくい理由

――データドリブンな組織の核になるのはデータ分析チームです。しかし日本企業には「専門的なITスキルが必要な仕事は外部に丸投げしたらいい」「時間やコストをかけてまで社内でデータ分析チームを育成する必要はない」と考えるところもあります。あなたの目から見て、企業がある程度投資をしても、自社内に「データ分析チーム」を作った方が良い理由とは何ですか。

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