5年で1000万人のデータピープル養成計画を発表、Tableauがデータ活用人材の雇用拡大を促進
Tableauがデータ分析人材の拡大に大規模な投資を進める。誰でも使えるようAIで機能を強化したデータ分析環境を使い、教育プログラムを通じて就労機会拡大につなげると同時に、利用者の拡大を目指す。
Tableauは2027年までにTableauによるデータ分析のスキルを持ったデータリテラシーの高い人材「データピープル」1000万人を育成する計画を発表した。教育関連の施策も現在の2倍に拡大する。
アカデミックプログラムを拡張し、教育者を無償ライセンスの対象に含めることで将来のデータ分析を担う学生にTableauの知識を定着させ、直近で発表があったAll India Council for Technical Education(AICTE)とのパートナーシップに代表されるように、各国政府や非営利団体と連携したデータ活用人材育成にも協力する。ジェンダー平等に取り組む世界的な非営利団体を支援して各国政府のスキルアッププログラムにも協力し、ジェンダーギャップや教育格差の課題に対して就労機会を拡大する。
データ分析スキル人材の不足が問題となって久しいが、この課題に対して、ツール側の利用ハードルを下げ、ライセンスなどの学習障壁を取り払うことで利用者のすそ野を拡大し、データドリブンな事業運営に寄与する人材を企業に供給すると同時に社会課題への解決も目指す取り組みだ。
Salesforceのオンライン学習プラットフォーム「Trailhead」にも新しい「Salesforce Data Literacy Trail」プログラムを提供し、プログラム修了者にはグローバルで認定を受けられるキャリア証明書を発行する。ableau Desktop Specialist認定者の拡大やTableauのData Literacy for Allプログラムの認知向上にも注力する。
デジタルスキルキャリアプログラムのプロバイダーであるPathstreamと提携し、スキルに基づく就労機会拡大支援も進める。オンライン無料のデータ分析ギャラリーである「Tableau Public」では「Hire Me」ボタンを設置し、公開した分析ギャラリーの作者にオファーを出す機能も追加する。
Einsteinエンジンの統合と「データドリブンな会話」を支援する機能群
データ分析人材育成の計画を立ち上げた背景には、データリテラシーの高い人材の不足がある。フォレスターリサーチの調査結果によれば、CEOの83%は組織がよりデータドリブンであることを期待しているが、必要なデータスキルが不足しており、意思決定にデータ分析を活用している従業員は33%しかいない。企業はデータドリブンな事業運営をしたくともできない状況にあるのだ。
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