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Salesforceが強調“信頼ファースト”のデジタル戦略 Slack買収も生きる5要件とは:Weekly Memo(1/2 ページ)
社会や企業の在り方に変革が求められつつある中で、「信頼を生み出す企業」になるためには何が必要か。セールスフォースが「5つの要件」を打ち出した。その内容とは――。
「信頼は企業にとって最大の価値。信頼を生み出す企業になるには5つの要件がある」――Salesforce.com(以下、Salesforce)のサラ・フランクリン氏(プレジデント兼最高マーケティング責任者=CMO)は2021年11月11日、同社の日本法人セールスフォース・ドットコムがオンラインで開催したプライベートイベント「Salesforce Success Anywhere World Tour」の基調講演でこう話し始めた。
「信頼を生み出す企業」になるための5つの要件を説明するSalesforce.comのサラ・フランクリン氏(プレジデント兼CMO)(「Salesforce Success Anywhere World Tour」の基調講演より)
買収したSlackが要になる「Digital HQ」とは何か
フランクリン氏は昨今の社会や企業を取り巻く課題として、パンデミック(感染症の世界的大流行)、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材の不足、不平等や格差、気候変動などを挙げ、これらによって最も懸念されるのは「信頼の危機」だと訴えた。
同氏は「企業が信頼を生み出す存在になれば、社会に変革をもたらすことができる」とも強調し、その要件として、「信頼」「カスタマーファースト」「Digital HQ」「健康と安全」「サステナビリティ」の5つを挙げた。以下、一つずつ同氏が説明した内容を紹介していこう。
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