クラウド中心へ「大転換」図るSAPジャパン 2022年、3つの戦略とは:Weekly Memo(1/2 ページ)
SAPジャパン社長の鈴木洋史氏に、「2021年の総括と2022年の戦略」について取材した。2022年の目標は「クラウドカンパニーへ大転換」だという。その意味とは。
「2022年はクラウドカンパニーへ大転換の年にしたい」
こう語るのは、SAPジャパン代表取締役社長の鈴木洋史氏だ。どういう意味か。その点とともに2021年の振り返りと2022年の戦略について、同氏にオンラインで取材した内容を今回はお伝えする。
真のクラウドカンパニーへ SAPジャパンの2022年を支える3つの戦略とは
2021年を振り返って、鈴木氏は次のように語った。
「2021年もコロナ禍が続いたが、その中でお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展した。SAPは2021年1〜9月期の業績において、同期比の売上高の伸びがグローバルで3%増、日本で7%増、中でもクラウド事業についてはグローバルで17%増、日本はその倍ほどの伸びを達成できた。とりわけSAPジャパンは『クラウドカンパニー』に向けて本格的に動き出した年になった」(鈴木氏)
冒頭で同氏が述べた「クラウドカンパニー」という言葉には伏線がある。実は筆者は2020年も同時期に同様のテーマで鈴木氏に取材し、同氏は本連載の2020年12月14日掲載記事で2021年の目標として「これまでのパッケージを主体とした会社から『真のクラウドカンパニーになる』」ことを掲げていた。それが2021年を振り返った今「クラウドカンパニーに向けて本格的に動き出した年になった」というわけだ。
ちなみに、鈴木氏は2020年の取材で「現在採用された(ERP最新版の)『S/4HANA』の7割は『S/4HANA Cloud』または各種IaaSで動作するクラウド版」と語っていたので、その後の進捗(しんちょく)を聞くと「数字は明らかにできないが、その割合は着実に上がっている」(鈴木氏)とのことだ。
SAPジャパンは2022年の戦略として、どのような事業方針を打ち立てているのか。鈴木氏は次の3つを挙げた。
関連記事
- SAPジャパンが目指す「真のクラウドカンパニー」とは? 社長が明かす2021年の戦略
SAPジャパン社長に2020年4月就任した鈴木洋史氏に、「2020年の総括と2021年の戦略」について取材した。2021年の目標は「真のクラウドカンパニーになる」という。どういうことだろうか。 - SAPの新CEOが説く「これからのエンタープライズIT」
SAPの新CEOが自社イベントで「これからのエンタープライズIT」について語った。ERP最大手の同社がDXビジネスの展開へ向けたビジョンでもある。SAPの戦略を通じて、エンタープライズITの今後について考察したい。 - “オンプレ逆戻り”の教訓を生かせ 10年後に笑うクラウド活用戦略のポイント
クラウドシフトの波やオンプレミスへの“揺り戻し”を経験し、さらなる変化を見据える企業にとって、今後の重要なポイントは何か。ガートナーの亦賀忠明氏の話を基に考察した。 - SAPがローコード/ノーコード向け開発ツールを発表 AI関連機能も追加へ
SAPはSAP BTPで利用できる統合的なローコード/ノーコード開発ツールを発表した。コーディングのスキルを持たないユーザーでも、新しいアプリケーションの開発や、既存のアプリケーションの拡張などが可能だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.