IBMがメインフレームアプリのモダナイゼーション支援 IBM Z and Cloud Modernization Centerを開設
IBMがIBM Zを利用する顧客向けの窓口を開設した。アプリケーションやデータ、プロセスのモダナイゼーションを支援する。
IBMは2021年12月8日(現地時間)、「IBM Z and Cloud Modernization Center」の開設を発表した。同センターは幅広いツールや研修、リソース、エコシステムパートナーへの窓口を提供することで、IBM Zを利用する顧客がアプリケーションやデータ、プロセスのモダナイゼーションを加速できるよう支援する。
IBM Zのエコシステム担当VPであるメレディス・ストーウェル氏は、モダナイゼーションにおける課題について、「IBM Zを利用するグローバル企業が情報化やモダナイゼーションに向けた手順をワンストップで提供する選択肢は限られていた。ベンダーが混乱を招く説明をしたり、移行がうまくいかなかったりする中でITリーダーが頼れるリソースを見つけるのは難しい」と話す。
IBMはハイブリッドなIT環境への移行は必須だと認識している。IBM Institute for Business Valueの調査「ハイブリッドクラウド・プラットフォームの利点」によると、完全にハイブリッドなマルチクラウドプラットフォーム・テクノロジーと大規模な運用モデルを採用すると、単一クラウドベンダーのプラットフォームを利用する場合に比べて2.5倍の価値が得られる。さらにIBM Zをハイブリッドクラウドに統合することで、パブリッククラウドだけ利用する場合に得られる価値の最大5倍を得られる(注)。
Hurwitz and Associates社がIBMの依頼を受けて2020年6月に作成したホワイトペーパー「Outperforming Businesses: Realize 2.5-x value with a hybrid cloud platform approach」によると、この価値はビジネスの加速や開発者の生産性、インフラストラクチャの費用効率、法規制順守とセキュリティ、デプロイの柔軟性によって実現するという。
センターの役割とは?
IBMによれば、IBM Zユーザーの多くが最新のハードウェアを利用するが、ハイブリッドクラウドの利点を全て活用するにはアプリケーションとデータをモダナイズする必要がある。
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