コラム
円周率100兆桁目は? クラウドリソースのチューニングと自動化で挑んだ世界一の挑戦:編集部コラム
高度なチューニングが求められる科学技術計算も、クラウドで提供されるリソースのチューニングで対応できる範囲が拡大しているようです。APIで公開されたデータを使って円周率を耳で聞くのも一興です。
2022年6月9日Googleは、岩尾エマはるか氏が「Google Cloud」を使って100兆桁の円周率を計算し、世界記録を更新したことを発表しました。Googleは100兆桁の円周率全てをAPIで提供、同じデータをファイルとしても公開しています。
Googleが公開したデモサイトには、バッハ風の音楽を自動生成する「Bach Doodle」と円周率APIを組み合わせた演奏デモなども掲載されています。
岩尾氏はGoogle Cloudのアドボケイドを務めるエンジニアで、2019年にGoogleが31兆4000億桁の記録を樹立した際のプロジェクトリードとして注目されたことから記憶している方も多いでしょう。円周率計算の世界記録はその後、2021年にグラウビュンデン応用科学大学の科学者が62兆8000億桁を計算して更新されたそうです。今回の円周率計算はCompute Engineを使っての2度目の挑戦でした。
※本稿は2022年6月14日配信のメールマガジンに掲載したコラムの転載です。購読はこちら。
当初設計の2倍高速に 約158日間、巨大メモリ搭載インスタンスで計算し続ける工夫
Googleのブログによれば、今回の挑戦に当たり「アーキテクチャの改良などを施した結果、わずか3年で桁数を3倍に」延ばしたとしています。具体的にどんなチューニングを施したのでしょうか。
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