「OCI Dedicated Region」を小規模から利用可能に ラック単位の提供も
Oracleは、自社が提供するクラウドサービス「Oracle Cloud」をオンプレミスに延伸する「OCI Dedicated Region」に、導入しやすい小規模版のラインアップを加えた。ラック単位で導入できる。
Oracleは2022年6月21日(現地時間)「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)が提供する「OCI Dedicated Region」について、新たに小規模な構成で価格を抑えたラインアップを発表した。OCI Dedicated RegionはOracleのマネージドクラウドとして提供されるOCIを企業のデータセンター内に延伸する仕組みだ。OCIと同様、所有せずに利用でき、運用のOCIと共通化する上、企業のデータセンター内に設置できるため、データ保護やレイテンシ対策などの課題に対応できる。
OCI Dedicated Regionはオフライン環境やエッジにOCI同等の運用環境を提供する「Oracle Roving Edge Devices」(Oracle RED)と組み合わせることで、オラクルの商用リージョンと同様に「OCI Dedicated Region」を基にハイブリッド構成をとることもできる。
さらに「OCI Dedicated Region」よりも小規模な環境向けの、ラック規模のソリューションである「OCI Compute Cloud@Customer」もプレビューを発表した。こちらもOCIを自社データセンターに延伸するものだ。いずれもOCIと同様マネージドサービスなので、運用コストを低減できるとしている。
OCIにおけるクラウドのオンプレミスへの延伸は、データセンターに置かれたIT資産の保有とシステム運用管理の担い手をOracleにゆだねることも意味する。
2022年6月23日、Oracle Product Managementのレオ・リョン氏が日本のメディア向けにOCIの狙いを語った。
年間100万ドルから使える「オンプレミス設置型OCI」
今回発表されたOCI Dedicated Regionの特徴はエントリーポイントの低さにある。「必要となるデータセンタースペースと電力量を60〜75%小規模化することで、エントリー価格を年間約100万ドルまで下げられた」とリョン氏は語る。OCI Dedicated Regionのユーザーは、パブリッククラウドのアジリティや経済性、拡張性を、以前よりも手軽に自社のデータセンターで享受できるようになる。
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