日本のIT課題克服にオラクルが挑む オラクルだけのクラウド性能でIT化を推進できるか(1/2 ページ)
日本が抱えるITコストの増加、労働生産人口の減少などの課題に対し社会はどのように対応するべきなのか。日本オラクルの新戦略はこれまでの課題を克服し、日本社会のIT化を推進するという。その中身が分かった。
日本オラクル(以下、オラクル)は2022年7月7日、新年度に向けての事業戦略を発表した。日本企業がIT投資において抱える課題に対し、オラクルはどのような戦略で挑むのか。オラクルの三澤智光社長に聞いた。
日本が抱えるIT課題
三澤氏は日本が直面する課題に「GDPとIT投資の推移」「ITコストの構造」「労働生産人口の減少」を挙げる。
三澤氏はOECD加盟国の統計データを基に、日本では1997年以降、IT分野への投資額が減少し(注1)、それに伴ってGDPも減少していることを指摘した。1995〜2018年の23年間で米国におけるGDPが180%成長したのに対し、日本は7%の成長にとどまった。三澤氏は「ITへの投資額とGDPの成長率は強いつながりがある」と現状を見る。
「ITへの投資額を増額することが難しい中で、どのようにIT化を進めるのかが重要になる」(三澤氏)
三澤氏によれば、現在の日本におけるITコストの構造も企業のIT化を鈍化させる原因だ。日本と米国を比較すると、米国では受託開発が33.80%、自社開発が37.20%、パッケージが29.00%に対し、日本では88.30%が受託開発でわずか11.70%がパッケージだ(注2)。「受託開発がメインの日本においてはコスト構造の変革が難しい」と三澤氏は指摘する。
さらに日本では労働生産人口の減少も顕著であり、日本国内において間接業務の省人化が急務だ。付加価値の高い業務に人的資源を集中させることが、今後の社会では求められると三澤氏は話す。
エンタープライズITの課題
三澤氏は現在のエンタープライズITには4つの課題があると指摘する。
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