NVIDIAが3Dシーン記述言語「USD」の標準化へ 産業向けデジタルツイン実現に道:ニューラルネットワークによるグラフィックス生成技術も
NVIDIAは、3Dコンテンツ制作を容易にするツール群「Neural Graphics SDK」を発表した。デザイナーやクリエイターだけでなく、一般ユーザーもメタバース向けのコンテンツ制作などが容易になるという。併せて、パートナー企業とともにUSDを拡張し、産業向けメタバースアプリケーション向け対応を強化する。
NVIDIAは、2022年8月9日(現地時間)から米国で開催されているコンピュータグラフィックス(CG)関連のSIG「SIGGRAPH」で、ニューラルグラフィックス技術を3Dオブジェクトや3D空間の構築やアニメーション化に応用したツール群「Neural Graphics SDK」を発表した。併せて、「Universal Scene Description」(USD)をオープンなメタバースと3Dインターネットの基盤にすることを目指すイニシアチブを発表した。
3Dコンテンツ制作を容易にするツール群
Neural Graphics SDKは、ゲームやメタバースなどの仮想世界、プロダクトデザイン、視覚効果などを構築するための3Dオブジェクトの制作を容易にするソフトウェア開発キット群だ。同キットを利用することで、3Dコンテンツ制作の専門家だけでなく、一般ユーザーでもメタバース向けのコンテンツなどの制作が容易になるとしている。
ニューラルグラフィックスは、ニューラルネットワークによる深層学習を基に2D写真から3Dイメージを生成する技術だ。NVIDIAによると、ニューラルグラフィックスは「AIとグラフィックスを組み合わせて、データから学習するアクセラレーテッドグラフィックスパイプラインを構築する新しい分野」だという。「AI(人工知能)を統合することで改善につながる他、デザインの選択の自動化にも役立ち、アーティストやクリエイターの想像を超える新たな機会がもたらされる。ニューラルグラフィックスによって仮想世界の構築やシミュレーション、ユーザーエクスペリエンスの在り方は再定義される」としている。
Neural Graphics SDKは、コンテンツ制作パイプラインの各段階に貢献する。具体的なツールは次の通りだ。
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