AIでAWSのWAF機能を強化 ラックが「AIクラウドセキュリティ運用支援サービス」を提供開始
ラックが「AIクラウドセキュリティ運用支援サービス」の提供を開始した。AIを利用することで専門知識やスキルがなくてもクラウドのセキュリティ対策を強化できるとしている。
ラックは2022年9月8日、「AI(人工知能)クラウドセキュリティ運用支援サービス」の提供を開始すると発表した。同サービスはニューリジェンセキュリティの「Cloudscort」と、ラックが自社開発したセキュリティ運用システムを使って、「Amazon Web Services」(AWS)のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)などに対応する。
2社の脅威情報とAIを組み合わせた「クラウドセキュリティ対策エンジン」
最近のクラウドプラットフォームは、Webアプリケーションの特性に合わせてWAF機能を提供している。クラウドを利用する際は、Webアプリケーションの特性に合わせてWAFの設定をカスタマイズし、最適化することで既知の脆弱(ぜいじゃく)性への対策を強化し、サイバー攻撃からの防御力を高める効果が期待できる。
しかし、WAFの運用には防御ルールのチューニングや追加などの最適化が必要で、新しい脆弱性への対応や防御のための対策としては効果が限定的だ。また、誤検知や見逃しなどに対応するための専門知識を備えた担当者が必要だ。
AIクラウドセキュリティ運用支援サービスは、ラックが運用を支援することでAWSのネイティブ機能として提供されるWAFに対応し、クラウドへのサイバー侵害対策を強化する。
Cloudscortは、ラックとNRIセキュアが提供する脅威情報を融合した「Cloudscort Managed Intelligence」とAIを組み合わせて、最新防御ルールの自動運用や攻撃アラート情報の自動分析、脆弱性や設定不備の自動評価などを実施するクラウドセキュリティ対策エンジンだ。
Cloudscortには主に次の2つの機能がある。
関連記事
- 休み明けのメールチェックで発生しがちな被害を検知 ラックが「Emotet」感染調査サービスを無料提供
ラックは、メールからのEmotet感染を防ぐため、Emotet感染調査サービスの無償提供を開始した。主に感染検知が遅れがちな大手企業向けに提供する。長期休暇明けなど大量にたまったメールの整理で発生しがちな感染被害を独自の脅威インテリジェンスソリューションで検知して防御する。 - Microsoftが提供する新たなセキュリティサービス 相手の目線で組織を守る
サイバー犯罪は進化を続け、その巧妙さを増している。これまでのセキュリティ対策では不安が残る中、Microsoftが新たなサービスを発表した。セキュリティへ本気の姿勢を見せる同社の取り組みが分かった。 - AWSがモダンなデータ分析環境に本腰 主要サービスをサーバレス提供
「ハイパースケーラー」として世界的にも高いシェアを誇るAWSが、モダンデータ分析環境の提供に本気を出す。主要なサービスをサーバレスで提供し、スケーラブルなデータ分析環境をオンデマンドで利用できるようになる見込みだ。 - 「AWS、Azure、GCPの選び方」をクラウドインテグレーターに聞いてみた 5つのユースケースから見えたもの【訂正あり】
AWS、Azure、GCPといったクラウド基盤サービスは、どう選べばよいのか。3つのサービスを取り扱うクラウドインテグレーターに、5つのユースケースを例に聞いてみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.