我孫子市が全職員のデスクトップ環境をVDIに移行へ
我孫子市が1000台以上の職員用デスクトップ環境をVDIに移行した。15倍のデータ削減効果の他、ストレージコストや運用負荷の大幅低減を見込む。
ネットワールドは2022年9月28日、千葉県我孫子市がオールフラッシュストレージ「Pure Storage FlashArray//X20 R3」(以下、FlashArray)を導入し、従来物理PCとシンクライアントで運用していた1000台以上の職員用デスクトップ環境をVDI(仮想デスクトップ)に移行したと発表した。
1000台以上のデスクトップ環境をVDIに移行
我孫子市は2012年から10年間、ICT環境の構築、運用を一括して外部のITパートナー企業に任せる長期包括業務委託契約を締結していた。契約満了後となる2022年1月以降はインフラ部分で10年間の長期契約を維持することを決定した。
この決定と併せて同市は、いままで物理PCを中心に一部シンクライアントも使用していた職員用デスクトップ環境1000台分超をVDIに移行することも決定した。
この契約締結に当たり、パートナー企業の選定は価格による入札方式ではなく、提案内容を総合的に勘案するプロポーザル方式を採用した。2019年から複数のIT業者に要件を提示した結果、VDI環境の共有ストレージとしてPure Storage製オールフラッシュストレージ「FlashArray」を利用する大崎コンピュータエンヂニアリングを選定した。
選定の理由は何だろうか。
我孫子市が提示した要件では1000台以上のVDI環境の共有ストレージとして高いパフォーマンスを維持できることや高可用性、安定性に優れていること、データ圧縮や重複排除の機能によって高いデータ削減効果が期待できること、10年間の運用コストを最適化できるサポートメニューが提供されていることなどを満たしている必要があった。ネットワールドは、「我孫子市の要件を全てを満たす提案であることも採用の評価につながった」とみている。
今回のプロジェクトでは、ネットワールドが大崎コンピュータエンヂニアリングに検証機を提供して提案内容の数値的な裏付けを支援し、製品出荷時の初期設定を担当した。
15倍のデータ削減効果や10年間の運用コストも大幅低減
新たなVDI環境の共有ストレージとして採用されたPure Storage製品はオールフラッシュのFlashArray(63TB)2台だ。2021年末のカットオーバー以来、問題なく稼働しており、「ストレージがボトルネックになってI/O(入出力)スピードが遅くなる状況は皆無」だという。
我孫子市は当初、FlashArrayのデータ圧縮、重複排除の機能によって約7倍のデータ削減効果を見込んでいたが、稼働開始後に実測したところ、約15倍のデータ削減効果を獲得していることが分かったという。稼働状況はPure Storageのクラウドベースの管理ツール「Pure1」によって監視されているため、我孫子市は「ストレージ環境に関する心配要素はない」と見込む。
Pure Storageが提供する保守サポートのサブスクリプションプログラム「Evergreen Storage」を採用したことで、後継モデルへの継続的なアップグレードが提供されるため、10年間にわたる包括業務委託契約でもストレージのリプレースコストや手間を気にする必要がなくなった。
Pure Storageは独自のクラスタ構成機能「Purity ActiveCluster」によって、2台のFlashArrayでアクティブ/アクティブのクラスタ構成が可能だ。我孫子市によると、高い可用性と安定性を確保し、万一片方に障害が起きた場合でも、ダウンタイムなく稼働させられることが「他社にはない注目のポイントだった」という。
今後、我孫子市教育委員会もITインフラなどを包括的に調達する検討を進めており、2024年に教育委員会主導でプロポーザルを実施する予定だ。
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