大企業と中小企業で「SD-WAN採用の目的」に違いあり IDCが国内SD-WAN市場を予測
IDCによると、大企業を中心とした企業ネットワーク再構築の動きがけん引し、2022年の国内SD-WAN市場は対前年比34.7%増と堅調に推移する見込みだ。同社は大企業と中小企業ではSD-WANを導入する目的は異なることを指摘し、「それぞれに合った機能を薦めるべき」と提言する。
IDC Japan(以下、IDC)は2022年9月28日、国内SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)市場の予測を発表した。同予測によると、2021年の市場規模は対前年比46.5%増の84億2600万円、2022年は同34.7%増の113億4700万円となる見込みだ。同社は2021〜2026年の年間平均成長率(CAGR)を17.8%とみており、2026年の市場規模を190億9000万円と予測する。
SD-WANのサプライヤーが大企業、中小企業に薦めるべき機能は?
IDCによると、国内SD-WAN市場は堅調に成長している。大企業を中心に新たな設計思想で企業ネットワークを再構築する動きが広がっていることがSD-WANへの投資をけん引している。
同社は大企業と中小企業でSD-WAN導入の目的に違いがあると指摘する。
大企業はテレワークと出社を従業員自身が選べるハイブリッドワークやクラウドシフトの進展に伴い、ネットワークが複雑化している。SD-WANはネットワークの運用負荷を下げ、オフィス回帰に伴って増大するネットワークトラフィックを制御し、回線コストの抑制が見込めることから、企業の関心を集めている。これに対して中堅中小企業では、ローカルブレークアウトの導入を中心としたポイントソリューションとしての利用が中心だ。
IDCの山下頼行氏(コミュニケーションズリサーチマネージャー)は次のようにコメントする。「SD-WANのサプライヤーは自社のターゲットセグメントを明確にすべきだ。在宅勤務率やクラウドシフトの進展度合いの将来的な見通しを得て、ネットワークの本格的な再構築を企画している大企業に対しては、複雑化したネットワークの運用負担やコストを削減できるSD-WANの高度なトラフィック管理機能や可視化機能を訴求すべきだ。中堅・中小企業には、設定や運用のサポートサービスに加えてAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)を用いた自動運用機能を薦めるべきだ」(山下氏)
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