三井化学と日本IBMが研修用プログラムを構築 生産技術系データサイエンティストを育成へ
三井化学と日本IBMは、生産技術系人材のデータサイエンティスト育成プログラムを構築した。三井化学は同研修を通じて、生産技術系データサイエンティストを国内主要5工場の全てに2025年度末までに配置する。
三井化学と日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は2022年10月24日、生産技術系人材のデータサイエンティスト育成プログラムを構築したと発表した。
三井化学は同プログラムによる研修を通じて、2025年度末までに化学プラントの複雑な現象に対するデータ解析や、プラントの状態を予測するモデル構築などができる生産技術系データサイエンティストを、国内主要5工場の全てに配置する。
今後の工場エンジニアに必要なデータ解析能力の詳細は?
生産技術系人材のデータサイエンティスト育成プログラムは大きく次の3段階から構成されている。
- レベル1:データアナリスト基礎 基礎編
- レベル2:データアナリスト応用 応用編、データアナリスト育成教育
- レベル3〜6:データサイエンティスト データサイエンティスト育成教育
同プログラムは、知識やスキルの保有を評価するだけでなく、「できることベース」でさらにレベルを6段階で定義し、ビジネスの貢献度合いを合わせて評価する。さらにアルゴリズムや統計、分析、データ倫理、プロジェクトマネジメントなどをOJT(On the Job Training)とOFF JT(Off The Job Training)を組み合わせて実施する。
レベル1のデータアナリスト基礎は約250人の生産技術系エンジニア全員を受講対象としており、すでに120人の教育を完了している。
三井化学は、今後の工場エンジニアに求められるスキルを、過去の経験や理論に基づいた限定的な解析だけではなく、さまざまな機器や生産工程から得られるビッグデータによる多面的で深い解析ができる能力と定義した。そのためのデータ解析には、生産技術に関する知識とデータ解析に関わる能力の両方が必要だとしている。
また、同社は主要5工場ごとに生産品目や取扱装置、設備が異なるため、各工場に精通したデータサイエンティストを継続的に育成・配置することが必要だと考えている。
日本IBMは三井化学と2015年から、データ解析が可能な工場エンジニアの育成に関して協業している。これまで日本IBMは、製造業におけるデータ分析の実績とデジタル人材育成のノウハウを生かして、三井化学の生産技術分野の業務に必要なスキルの整理や育成施策の検討、研修の実施を通じて支援してきた。
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