NTTドコモがWeb3に本気 今後の取り組みと戦略を聞いた
日本企業のWeb3業界への参入が相次いでいる。NTTドコモはアクセンチュアとWeb3の普及および社会実装の加速に向けて連携することを発表したが、具体的に何に取り組むのか。他社との差別化はどのようにして行うのか。また、NTTドコモが考えるWeb3普及の課題と、その解決策を聞いた。
NTTドコモ(以下、ドコモ)は2022年11月8日、アクセンチュアと「Web3の普及および社会実装の加速に向けた連携」に合意したと発表した。両社は、Web3の強みを生かして環境問題の解決や地方創生などに取り組む予定で、具体的には「ESG/SDGs領域への適用」「安心・安全なWeb3活用に向けた技術基盤の構築」「Web3人材の育成」の3つの分野で連携する。
3分野の主な取り組みと、ドコモが考えるWeb3拡大の阻害要件
両者はESG/SDGs領域への適用という分野で、Web3の特徴を生かした連携のメカニズムの構築を通じ、新たな経済原理による課題解決の事例や方法を創出したい考えだ。この背景には、環境問題や地方創生といったさまざまな社会課題の解決には、多様な価値観を持つ関係者を束ねて中長期的なゴールに向けて結束させることが不可欠という考えがあるようだ。
安心・安全なWeb3活用に向けた技術基盤の構築では、Web3の普及の阻害要因を取り除き、誰もが簡単に安心して利用できる技術基盤の構築や環境整備を進めたい考えだ。
また、NTTドコモブランドコミュニケーション部広報担当(以下、ドコモ広報)に行ったメールインタビューによれば、ドコモがここで挙げている「阻害要因」としては「手順や用語が難解さ」があるようだ。
「ウォレットを例に挙げれば、手順や用語が難解で、まだ一部の人にしか浸透していない認識だ。このように、Web3サービスを利用する上で比較的高度なITリテラシを必要としている点が阻害要因と考えている」
Web3人材の育成では、Web3領域での就業を考える人材に対して、学習や実務経験の獲得機会を提供し、Web3人材が企業と連携しやすいコミュニティーを提供していく予定だ。
Web3の普及のために、ドコモはどう取り組んでいく
Web3とは主に、ブロックチェーンを活用したサービスを指すことが多い。Web3サービスを人々が利用するためには「MetaMask」などを代表とする「ウォレット」が必要となり、このウォレット利用の普及がサービス拡大のカギとなる。
この課題に対してドコモ広報は、「世の中で使われているウォレットとしてMetaMaskなどが挙げられる。これも手順や用語が難解で、まだ一部の人にしか浸透していない認識だ。よって、使いやすいユーザーインタフェースはもちろん、セキュリティを向上させるような取り組みが必要とされている」と回答した。
Web3へ参入を公表する企業が増える中で、ドコモはどのようにして差別化を図っていくのか。ドコモ広報によれば、同社が提供する「Web3 Enabler」が差別化のために重要なようだ。同サービスはブロックチェーン・ウォレット、暗号資産交換、トークン発行、セキュリティなどをパッケージ化して提供するサービスだ。
「Web3 Enablerとして提供する共通機能群について、それぞれ提供している企業はたくさんあるが、ドコモはこれらの共通機能群を全て提供することで差別化を図る予定だ。Web3はインターネットに次ぐ革命とも言われ、そのパラダイムシフトに今直面している。従って、ドコモはWeb3を今後の成長領域として捉えて取り組んでいく」
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