ゴディバがAnaplanを採用 「社内に散在するデータをかき集める」作業から卒業
ゴディバは、SaaS型プラン二ングプラットフォーム「Anaplan」を採用した。販売データなどをExcelで管理し、レポート作成のたびに社内に散在するデータをかき集めていた同社がAnaplan導入を決めた理由とは。
Anaplan Japanは2022年11月16日、チョコレートの輸入、製造、販売を手掛けるゴディバジャパン(以下、コディバ)がSaaS(Software as a Service)型プラン二ングプラットフォーム「Anaplan」を採用したと発表した。ゴディバはAnaplanをサプライチェーンマネジメントプラットフォームとして活用する。
年間300時間の削減見込む Anaplan採用の決め手は?
ゴディバは、コロナ禍以降も販売チャネルの多様化によって業績を伸ばしてきた。同社の扱う商品数は膨大で、ERP(Enterprise Resource Planning)システムにマスターデータとして登録しているアイテム数は1万点に及ぶ。
これまで同社は販売や在庫状況を分析するためのデータを「Microsoft Excel」で管理していた。部署間、担当者間のデータ共有や集計業務に手間と時間がかかり、サプライチェーンの全体像を把握しづらい状況だったという。
ゴディバはこうした課題の解決に向けて「サプライチェーン改善プロジェクト」を組織した。「サプライプランニング」「S&OP」(Sales and Operations Planning)、「デマンドプランニング」の3フェーズで最適なサプライチェーン環境の構築を目指す。
同プロジェクト発足直後は、S&OPのためのデータ収集作業に加えて、レポートを作成するために複雑に入り組んだExcelデータを分析する必要があったという。
ゴディバがAnaplanを導入した目的は、こうした負担を軽減することにある。データを効率良く集計して、S&OPに必要な分析やシミュレーションが可能であることが決め手となった。
ゴディバはAnaplanの導入に向けて、2021年7月にプロジェクトを発足させ、2022年2月に本格運用を開始した。本格運用後はERPに取り込んだ売り上げや在庫、POS(point of sales system)といったデータをAnaplanと連携させて、リアルタイムに情報を担当者間で共有できるようにした。
従来は2人がかりで3日間かかっていたS&OP用の月次レポートの作成作業は、Anaplanの導入によって約300時間/年の削減を見込んでいる。
ゴディバは、Anaplanの導入によって、サプライプランニングに関する意思決定の速度が上がり、販売機会損失や余剰在庫発生を防止できるという副次的効果を得たとしている。従来は社内に散在していた経営判断に必要な情報を担当者がかき集めてレポートを作成していたが、Anaplanの導入後はデータが整理された状態でデータベースに保管できるようになった。「必要に応じてドリルダウンするだけでプランニングが可能になった」と効果を実感しているという。
ゴディバの櫛山伸也氏(常務執行役員 サプライチェーン、IT&プロダクトオペレーション本部長)は「当社の『サプライチェーン改善プロジェクト』はAnaplanによって大きく進展した。これからはフェーズ3の『デマンドプランニング』に本格的に取り組む」と述べる。
将来は、ベルギーの工場や協力会社などへの発注業務に活用したり、ファイナンスシステムと連携させたりすることで、さらなるサプライチェーンマネジメントの効率化を目指す。
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