2桁成長をけん引する「需要」は? IDCが国内エンタープライズインフラ市場を調査
IDCは、国内エンタープライズインフラ市場の予測を発表した。同調査結果から、コロナ禍の影響が解消する中で、2桁成長をけん引する需要がみえてきた。IDCは「この動きは今後も継続する」と予測している。
IDC Japan(以下、IDC)は2022年12月8日、国内エンタープライズインフラ市場の予測を発表した。IDCはサーバとエンタープライズストレージシステムなどを合算した国内エンタープライズインフラ市場について、製品分類や配備モデル、バイヤータイプという視点から予測した。
コロナ禍の影響は解消へ 2桁成長をけん引する需要とは?
2022年の市場規模は対前年比14.4%増の7316億8200万円となる見込みだ。2021〜2026年の年間平均成長率(CAGR)は3.4%で、2026年の市場規模を7558億円と予測している。
2022年は、サプライチェーンの制約によって2021年から持ち越した受注残の解消が進み、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による経済活動の低迷が解消へと向かったことから、IDCが従来想定していたよりも需要は堅調に推移する見込みだ。
IDCは、ITバイヤーがエンタープライズインフラの価格上昇を受け入れるようになりつつあること、円安による部材価格や輸送コストの上昇などが販売価格に転嫁されていることを高成長の要因に挙げている。
最近は、IT投資余力が小さい企業だけでなく、相対的にIT投資余力が高い企業のクラウドサービス移行が進んでいる点も、同市場の2桁成長の要因となっている。「この動きは今後も継続する」とIDCは見ている。
2026年まで同市場はプラス成長が続く見込みだが、IDCは次の2つの要因によって2023年以降の対前年比成長率は0.2〜2.0%の間にとどまると予測する。
- 前年からの受注残が通常以上に繰り越される特殊要因がなくなる
- 生産年齢人口の減少によってエンタープライズインフラの需要が抑制される
2022年の製品分類別市場規模については、OEM Serverが対前年比12.7%増の4838億9900万円、OEM Storageが同6.9%増の1435億1300万円、ODM Directが同37.3%増の1042億7000万円で、全ての製品分類でプラス成長を見込む。ただしIDCは「OEM ServerとOEM Storageは2020年から2年連続のマイナス成長だったことを考慮すると、必ずしも力強い回復とは言えない」としている。
配備モデル別では、Non-Cloudが対前年比8.4%増の4472億9100万円、Private Cloudが同29.6%増の762億7800万円、Public Cloudが同23.9%増の2081億1400万円と予測する。バイヤータイプ別では、SP(Service Provider)向けが同24.0%増の3621億2100万円、Non-SP向けが同14.4%増の3695億6200万円となる見込みだ。
IDCの福冨里志氏(エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャー)は「インフラベンダー、特にサーバベンダーはITバイヤーの動向に加えて、配備モデルごとの市場動向などを踏まえた上で、製品戦略、パートナー戦略、販売戦略を立案の上、確実に遂行していくことが求められる」と述べた。
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