Web3時代の「デジタルウォレット開発キット」とは? 提供の背景と問題発生時の責任の所在をNRIデジタルの広報担当に聞いた
多くの企業がWeb3の取り組みを進める中、NRIデジタルは新たにデジタルウォレットを開発できるキットを発表した。キット誕生の背景と目的、問題発生時の責任の所在について聞いた。
NRIデジタルは2022年12月22日、Web3時代に対応したデジタル開発キットを2023年3月に提供開始すると発表した。ユーザー自身の個人情報を持ち出して情報提示を可能にする「DID(分散型ID)モジュール」や、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)をウォレット内に入庫する「NFTモジュール」、秘密鍵に秘密分散処理を行ってバックアップする「バックアップモジュール」の3つが提供される。
Web3に関する取り組みが拡大する中、NRIデジタルは"なぜ"同キットを発表したのか。
サービス誕生の背景、狙い、問題が起きたときの責任は誰に?
NRIデジタルは、Web3に大きな可能性を感じているようだ。筆者のメールインタビューに対してNRIデジタルの広報担当は「NRIデジタルは、2025年までにWeb3ビジネスの土台を構築することで、2026年以降に大きな収益を上げることを目指しています。このデジタルウォレット開発キットを、Web3ビジネスの土台を構築・拡大するための源と位置付けています」と回答した。
NRIデジタルは、ユーザー企業とID領域に関するビジネスに長年取り組み、Web3時代のID領域はユーザー接点を生み出すウォレットが要になると考えているようだ。
「今後、各企業がビジネスを進める上で重要となるユーザー接点に対し、NRIデジタルが関わることで各企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したいと考えています。また、多くの人が安心安全にWeb3サービスを利用できるように、本キットで支援していきます」(NRIデジタルの広報担当)
では、何か問題が起きた際の責任はNRIデジタルか利用企業のどちらにあるのだろうか。
この点に関して同社広報担当は「問題にもよりますが、キットの中で起きた問題に関してはNRIデジタルが責任を取りますが、キットを利用した結果として問題が起きた場合には利用企業の責任になります」と回答した。
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