大分の病院がインフラ最適化とバックアップ強化に向け、デルのソリューションを採用
大分三愛メディカルセンターは、医療活動や病院の経営を支える医療情報インフラの最適化とセキュリティ強化を目指し、デルのHCIとデータ保護専用アプライアンスを採用した。
デル・テクノロジーズ(以下、デル)は2023年2月10日、大分県の医療機関である三愛会 大分三愛メディカルセンター(以下、大分三愛メディカルセンター)が、医療活動や病院の経営を支える医療情報インフラの最適化とセキュリティ強化に向けて、同社のHCI(ハイパーコンバージドインフラ)「Dell VxRail」とデータ保護専用アプライアンス「Dell PowerProtect Appliance」を採用したと発表した。
デルによると、大分三愛メディカルセンターは最適な医療やケアを提供する上で各種業務のデータが一元的に利活用できる環境を必要としていたが、従来は各システムが個別に構築されており、病院と介護施設では患者のIDが異なるといった状況が生じていた。さらに従来の環境は、VMwareによる仮想化基盤と個別物理サーバが混在した環境で、旧仮想化基盤が3つの階層構成で構築され、複数ベンダーが関わっていたこともあり、複雑化していた。
また、同病院は、医療機関を狙ったサイバー攻撃対策として複数のセキュリティ製品を導入していたが、バックアップ環境がサイロ化しており病院全体として統制が取れていないといった課題を抱えていた。
インフラの最適化と可用性を確保 ソリューションの導入効果は
大分三愛メディカルセンターは、上記の課題を解消できるソリューションとしてDell VxRailとDell PowerProtect DP Seriesを採用した。
デルによると、大分三愛メディカルセンターは採用理由として、拠点や部門の物理サーバも含めた全ての業務システムをシンプルに統合でき、将来的な拡張も容易にできるという点を評価した。ハードやソフト、VMware基盤を含めたワンストップのサポートをデルが提供しており、事前検証など不要でスピーディーに作業が進められる点も採用に至った理由の一つだ。
大分三愛メディカルセンターは、Dell VxRailとDell PowerProtect DP Seriesの導入によって、同病院の医療情報インフラ全体のシンプル化や最適化を実現し、信頼性や可用性が大幅に向上した。個別物理サーバで稼働していたシステム群を集約した他、グループ社会福祉法人の介護系システムも統合し、その際に実施したノード増設作業も無停止で実行できた。
また、全ての環境を単一のコンソールで統合管理できるようになったため、運用管理に要する手間や時間を軽減し、設置スペースも旧環境の2ラックから約2分の1ラックへと減少し、省電力化も図れた。さらにセキュリティインシデントが発生した際にも、重要なシステムやデータを迅速に復旧できる環境が実現したことでサイバーレジリエンスの強化につながっている。
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