Microsoftがうっかりミス 移行対象外の端末にWin11アップグレードを促す
Microsoftは先日、システム要件を満たしていないWindows 10に、誤ってWindows 11へのアップグレードを提供したと伝えた。システム要件は変更されていないため、このアップグレードを実施しても成功することはない。
Microsoftは「Windows 11」導入において端末のハードウェアないし実行環境にシステム要件を設けている。システム要件を満たさない場合はWindows 11の実行をサポートしていない。「Windows 10」からWindows 11にアップグレードする場合も、その環境がシステム要件を満たしている必要がある。
しかし先日、Microsoftは誤ってシステム要件を満たさないWindows 10に対してWindows 11へのアップグレードを提供した。非対応の環境でもアップグレードを促す画面が表示されたことから「システム要件が緩和された」と感じた管理者もいるかもしれないが、これは単純にミスであり、システム要件は変更されていない。システム要件を満たさない環境ではアップグレードできない状況は変わっていない。
システム要件満たさないWindows 10に誤ってWindows 11アップグレードを提供
MicrosoftはWindows 10のユーザーに対してWindows 11へのアップグレードを推奨しているが、その移行は同社が望むほど早く進んでいない。特に企業の間では既存システムの動作継続を優先してWindows 11へのアップグレードを先延ばしにする傾向がある。
加えて、MicrosoftがWindows 11を使うために設けたシステム要件もアップグレードの障壁になっている。同社はWindows 11を実行するためのハードウェア要件を設けており、要件を満たさない場合はWindows 11の利用をサポートしない。システム要件を満たしていないデバイスにおいてはそもそもWindows UpdateがWindows 11へのアップデートを表示しないといった制限が設定されている。
しかし先日、Microsoftは誤ってシステム要件を満たさないWindows 10に対してWindows 11へのアップグレード要求を表示していたことが明らかになった。不具合が発生したのは2023年2月23日のみとされており、以下のプラットフォームが影響を受けたとされている。
- Windows 10, version 22H2
- Windows 10, version 21H2
- Windows 10, version 20H2
Microsoftは同日には問題を解決したとしており、変更が波及するまでの時間を加味しても本稿執筆時点ではすでに同問題は発生しない状況になっている。
MicrosoftはWindows 11を実行するために必要になるシステム要件を変更していない。2023年2月23日に発生した挙動は誤りによるものであり、Windows 11のシステム要件を満たさないWindows 10プラットフォームにおいてWindows 11へのアップグレードを実施しても、アップグレード処理は完了せずに途中で停止するとされている。
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