Impervaが「DDoS攻撃レポート」を公開 金融サービス業界で被害が顕著
Impervaは2022年におけるDDoS攻撃のレポートを公開した。前年と比較してDDoS攻撃自体が増加した他、特に金融サービス業界に対する攻撃も増えている。また、他のサイバー攻撃の隠れみのとしてDDoSを利用するケースも観測された。
Impervaは2023年2月21日(現地時間)、2023年版の分散型サービス拒否攻撃(DDoS:Distributed Denial of Service attack)に関する分析レポートを公開した。
同社が2022年までに阻止したアプリケーションレイヤーおよびネットワークレイヤーにおけるDDoS攻撃のデータを中心に、注目される攻撃動向や企業への推奨事項などが掲載されている。
DDoS攻撃は増加し、目的にも変化が 分析レポートの詳細は?
今回の調査によると、2022年は2021年と比較してアプリケーションレイヤーにおけるDDoS攻撃が82%増加したことが明らかになった。特に金融業界を標的としたDDoS攻撃が増加しており、2021年との比較で121%増加した。
DDoS攻撃のうち、Impervaが防止した最大のアプリケーションレイヤー攻撃はランサムDDoS攻撃で、秒間リクエスト390万件を記録した。ネットワークレイヤーにおけるDDoS攻撃としては2022年7月に阻止したときの1373Gbpsが最大だったことも説明されている。
ImpervaはこうしたDDoS攻撃の特徴として、「2022年は標的となったWebサイトの約46%が2回以上にわたって攻撃を受けるという反復攻撃だった」と指摘した。また地政学的な状況を反映し、サイバー戦争や国家支援のハクティビズムを目的としたDDoS攻撃が多く確認された。
その他の特徴としては、同調査では企業インフラを標的として実行されたサイバー攻撃の隠れみのとしてのDDoS攻撃やbot攻撃やアカウント乗っ取り(ATO)攻撃などのサイバー攻撃の前段階でDDoS攻撃が実行されるケースも確認された。
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