NTT Comが車両管理サービスを刷新 DX、GX貢献を図る
NTT Comは車両管理サービス「docoですcar」を基盤から刷新して新ブランド「LINKEETH」を立ち上げる。AIを活用した同ブランドのテレマティクスサービス「LINKEETH DRIVE」の提供を通じて、同社は車両管理のDXとGXを図るとしている。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2023年4月6日、車両管理サービスブランドとして「LINKEETH」を立ち上げると発表した。「LINKEETH」のサービスラインアップの1つとして、テレマティクスサービス「LINKEETH DRIVE」を提供開始する。
社用車管理を可視化、台数最適化、燃費向上を図る
ドコモグループは2001年から車両管理サービスとして「LINKEETH DRIVE」を提供してきた。
この間、働き方の変化やコスト削減、脱炭素などの機運が高まる中で、テレマティクスサービスに求められる機能がより幅広くなったことを受けて、「docoですcar」を基盤から刷新したのが新ブランドのLINKEETHだ。
テレマティクスとは「テレコミュニケーション」(通信)と「インフォマティクス」(情報科学)を合体させた造語だ。自動車に移動体通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報サービスを提供する仕組み作りを指す。
LINKEETHは、docoですcarが提供してきた安全運転管理者向け車両管理業務の効率化、安全運転視点サービスに加えて、日報や車両点検報告作成業務を自動化してドライバーの業務効率化を図る。NTT ComはLINKEETHによって車両活用全般におけるDX推進に貢献するとしている。
また、LINKEETHのサービス基盤はNTT Comが同日提供を開始したモビリティプラットフォーム「MAXIV」を利用している。外部との連携がスムーズなMAXIVを利用することで、社用車管理が可視化されて台数最適化、燃費向上を図り、GX(グリーントランスフォーメーション)に寄与するとしている。
LINKEETH DRIVEの4つの特徴
LINKEETHのテレマティクスサービスLINKEETH DRIVEは、AI(人工知能)搭載通信型ドライブレコーダーを活用して安全運転を支援し、車両運行管理を実施する。
センサーやAIを活用してドライバーの運転傾向をチェックすることで、事故抑止や省燃費運転によるコスト削減を図る。リアルタイムに車両位置を可視化する動態管理機能や日報作成の自動化、管理者への各種報告機能を搭載している。
LINKEETH DRIVEの特徴は次の4点だ。
- ドライバー向けアプリ充実による利便性向上:日報自動作成や車両点検、事故発生報告など、ドライバー向けアプリを通して日常業務の効率化を支援
- アルコールチェックサービスとの連携による車両管理業務の一元化:ドコモグループが提供するアルコールチェックサービスと合わせて利用することで、車両管理業務の一元化や事故削減に向けた取り組み強化が可能
- 「時空間検索」機能:日時・エリアから該当する車両と映像を特定できるため、万が一のクレーム発生時も遠隔から的確な状況把握と対応が可能
- 既存システム連携によるDX推進:外部サービスやActive Directoryなどのマスタ連携が可能。アカウント管理や帳票出力などの自動化を実現
LINKEETHは今後、SaaS(Software as a Service)領域にとどまらず、モビリティプラットフォームMAXIVと両輪でサービスや機能、端末ラインアップの拡充を図る予定だ。
LINKEETH DRIVEは2023年4月6日から提供を開始した。同サービスは今後さらにマルチデバイス化や、搭載可能な車両(特殊車両、二輪車、船舶、電車など)の増強を図るとしている。
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