Nutanixが新サービスを発表 ハイブリッド/マルチクラウド時代の課題解決へ:.NEXT 2023 レポート
Nutanixが新たなサービスを発表した。ハイブリッド/マルチクラウドに注目が集まる中、新サービスはどのような役割を果たすのだろうか。
Nutanixは2023年5月9〜10日にわたり、年次イベントである「Nutanix.NEXT 2023」(以下、.NEXT)を米シカゴで開催した。.NEXTは「Run everywhere. It’s simply what we do.」(どこでも実行できる。それが私たちのやるべきこと)をテーマに、3年ぶりに対面で開催された。イベント初日の9日、NutanixでCEO(最高経営責任者)を務めるラジブ・ラマスワミ氏が基調講演に登壇し、「Project Beacon」「Nutanix Central」という新たなサービスを紹介した。
新サービスのProject Beaconとは
「企業はオンプレミスやパブリッククラウドなど、さまざまなITインフラストラクチャを活用していますが、特定のクラウドベンダーにロックインされることも少なくありません。これによってコストの上昇や適切なインフラ環境の構築に遅れが生じることになります。企業は『シンプルなIT基盤』『クラウドベンダーなどを選択する自由』を求めてます」(ラマスワミ氏)
ラマスワミ氏はこのように話し、講演を切り出した。同氏がこれらの課題解決に向けて発表した新たなサービスがProject Beaconだ。同サービスは、Nutanixを含むパブリッククラウド環境はもちろん、それ以外のあらゆる場所でも「Platform as a Service」(PaaS)のサービスポートフォリオをネイティブに利用できる。単一のインフラストラクチャプロバイダーに縛られず、開発者が一度記述したアプリケーションをあらゆる場面で実行できるようにすることがProject Beaconが目指すビジョンだ。
「Project Beaconによって、企業はインフラストラクチャ層だけでなくアプリケーション層でもハイブリッド/マルチクラウドのメリットを享受できるようになります」(ラマスワミ氏)
Nutanix Central
Nutanix Centralは、パブリッククラウドやオンプレミス、ホスト型、エッジのインフラストラクチャを対象に、単一のコンソールで可視性や監視、管理を実現するソリューションだ。「Nutanix Cloud Platform」のクラウド運用モデルを拡大し、サイロ化の解消やアプリとデータの一貫した管理を簡素化する狙いだ。
ラマスワミ氏によると、多くの企業がオンプレミスやパブリッククラウドといった環境の変化によってシステム管理に苦慮しており、これらがサイロ化やコストアップ、セキュリティリスクなどにつながっている。Nutanix Centralは複数のシステムで横断的かつ大規模な管理を実現する。
「今日、エンタープライズの大半が直面する現実として『複数の環境で膨大な量のアプリケーションを管理している』ことがあります。これにより管理上の課題も発生しており、ハイブリッド/マルチクラウドの環境拡大でこうした問題は拡大し続けています。Nutanixは今後、Nutanix Centralでハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームの拡大やパブリッククラウド、オンプレミス、ホスト型、エッジの環境の一貫した管理に対応する、真のユニバーサルなクラウド運用モデルを実現します」(ラマスワミ氏)
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