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日立システムズ、SOCの業務プロセス可視化に向けCelonis EMSを採用
日立システムズはSOC運用における業務実態の把握とオペレーション標準化を目的に、ビジネスプロセスマイニングを実施するCelonis EMSを採用した。その導入成果は。
Celonisは2023年5月11日、日立システムズがセキュリティオペレーションセンター(以下、SOC)の運用における業務実態の把握とオペレーション標準化を目的に業務実行管理システム「Celonis EMS」を導入したことを明らかにした。
Celonis EMSは組織内の業務プロセスを可視化してパフォーマンスを計測しそのプロセスを改善するための「ビジネスプロセスマイニング」を実施するためのソフトウェアだ。組織やシステムにおいてボトルネックになっている部分や非効率になっている部分を特定する他、その改善策などを提案する。
Celonis EMSの導入成果は
日立システムズは2019年に「SAP S/4HANA」で運用している販売系システムや同社の保守部門が利用する自社開発フィールド系システムなどにCelonis EMSを導入している。
同社はこれを踏まえ、オペレーションの標準化び均一化が重要であることを認識して社内システムで導入実績のあったCelonis EMSの導入を決定し、SOCのインシデント対応管理基盤の本格運用を2022年1月に開始した。
Celonis EMSを導入した成果としては以下の項目が挙げられている。
- 手戻り件数が月30件から月9件に減少
- 1日あたりのインシデント対応時間が33分間削減
- 設計業務プロセスに対して実態の業務がどの程度適合しているかの割合が75%から90%に向上
- オペレーターにおける「気づいていなかった改善ポイントが見えるようになった」「プロセス分析機能が優れており、プロセス見直しやシステム改善、業務ルール改訂など、取るべき手段を適切に選択することができた」などの意見
日立システムズは今後、今回の経験で得られた効果を同社の事業部門にフィードバックし、さらなる改善に向けた適用などを検討する予定だ。
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