CrowdStrikeとAWSが提携、生成AI構築支援と構築環境のセキュリティ保護を提供
CrowdStrikeはAWSと共同で、顧客が独自の生成AIアプリケーションを構築できるクラウド環境および、これを総合的に保護するクラウドセキュリティソリューションを提供する。
CrowdStrikeは2023年5月31日(現地時間)、Amazon Web Services(以下、AWS)と共同で新たな生成AI(人工知能)アプリケーションの開発に取り組むと発表した。顧客が独自の生成AIアプリケーションを構築できるクラウド環境および、この環境を総合的に保護するクラウドセキュリティソリューションを提供する。
生成AI構築時のクラウド環境をどう保護するか?
生成AIはガバナンスやセキュリティ上の懸念などもあり、導入に慎重になっている企業も多く存在する。特に学習用データの改ざんや大規模言語モデル(LLM)における機密情報の流出などは問題視されている。CrowdStrikeとAWSの協業はこうした生成AI構築および利用時に考えられる課題の解消を図り、安全なML(機械学習)の利用を促進するものだ。
CrowdStrikeは、自社の生成AIセキュリティアナリスト「Charlotte AI」の開発にAWSのフルマネージド型AI構築プラットフォーム「Amazon Bedrock」を利用する。Charlotte AIの強化によって、顧客は自然言語クエリを使用して「CrowdStrike Falcon プラットフォーム」全体で高度な脅威の検出や調査、ハンティング、対応アクションを実行できるようになる。
AWSは、MLを含むAIサービスの幅広いポートフォリオを提供し、導入のあらゆる段階とスキルレベルで顧客を支援する。低レベルの深層学習コンテナや「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)イメージを用意する他、データの準備や構築、トレーニング、分析を実施するためのフルマネージドサービス「Amazon SageMaker」などを提供する。
またCrowdStrikeは、総合的なクラウドセキュリティソリューション「CrowdStrike Falcon Cloud Security」によって、AIとクラウドへの移行のあらゆる段階で顧客を保護する。CrowdStrike Falcon Cloud Securityは、クラウドワークロード保護やポスチャ管理、インフラストラクチャの権限管理、コンテナセキュリティなどを単一のコンソールで制御できる。さらに、今回のAWSとの提携拡大によって、MLを含めたAI技術の導入に伴うセキュリティリスクの保護や検出、修復の各機能を強化する。
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