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ExcelでPythonが利用可能に セットアップやインストールなども必要なし
MicrosoftはExcelにプログラミング言語「Python」の機能を統合した。本稿執筆段階ではパブリックプレビュー版としての提供となる。
Microsoftは2023年8月22日(現地時間)、「Microsoft Excel」(以下、Excel)にプログラミング言語「Python」の機能を統合したと発表した。新たなツールのインストールやPython実行環境のセットアップを用意する必要はなく、通常の関数と同じ要領でPythonの分析機能を利用できるようになる。
Pythonはサードパーティー製のライブラリを利用することでさまざまな用途に対応する柔軟性を持ち、データ分析や解析の分野でも高い人気を誇るプログラミング言語だ。
Excelのビルド16.0.16818.20000からPythonを統合
今回の機能は、本稿執筆段階ではパブリックプレビュー版としてのリリースになっており、「Microsoft 365 Insiders」のプログラムに参加しているユーザーが利用できる。対象となるのはExcelのビルド番号16.0.16818.20000以降で、最初は「Windows」版のみが提供される。他のプラットフォームについても今後対応予定だ。
Excelに取り込まれたPythonの機能のうち、主な特徴は以下の通りだ。
- 新しい機能は「PY関数」経由で提供される。「=PY」と入力すると入力部分のUIが専用の状態に切り替わり、Pythonのコードを入力できる状態になる
- データの視覚化やデータのクリーニング、ML(機械学習)、予測分岐などにPythonの処理を利用可能
- 導入されたPythonの機能はExcelに統合されており既存の機能と組み合わせて利用できる
- Pythonのコードは「Microsoft Azure」で実行されるため、ユーザー側に新しいセットアップやインストールは不要となっている。Pythonディストリビューションには「Anaconda」が採用されている
- ユーザーは追加のツールやPython実行環境またはライブラリの依存関係などについて心配する必要がない。さらにこの新しい機能を使ったブックは「Microsoft Teams」や「Microsoft Outlook」で共有することも可能だ
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