サイバーセキュリティメッシュ市場が急成長、2032年50億ドルに その要因とは?:セキュリティニュースアラート
Yahoo! FinanceはGlobal Market Insightsによるサイバーセキュリティメッシュ市場の調査結果を取り上げ、同市場が2032年までに50億米ドルを超える規模に成長すると予測した。
「Yahoo! Finance」は2023年10月29日(現地時間)、サイバーセキュリティメッシュ市場に関するGlobal Market Insightsの調査結果を取り上げた。調査によると、同市場が今後10年で年間15%の成長率を達成し、2032年には50億ドルの規模に達する見込みだという。
従来の境界型防御が有効ではなくなり、オンプレミスやクラウドまで攻撃対象領域(アタックサーフェス)が拡大した今、特定の領域だけを守るのではなく、全ての領域を網羅して“面”でカバーする“サイバーセキュリティメッシュ”という概念およびこれに関連したソリューションが重要になっている。
サイバーセキュリティメッシュの成長要因は?
Global Market Insightsは2023年5月に「Cybersecurity Mesh Market Size & Share | Forecasts 2032」を公開した。同レポートは2022年におけるサイバーセキュリティメッシュ市場規模が10億ドルであり、2023〜2032年の間に年15%の成長率で拡大すると予測を立てている。
Global Market Insightsによると、サイバーセキュリティメッシュ市場の成長要因としては「マルチクラウドベースのシステム環境の増加」「サイバー脅威の激化」「堅牢(けんろう)なサイバーセキュリティインフラストラクチャに対するニーズの高まり」「製造業におけるIoTアプリケーションの拡大」などが挙がるという。
ただし、サイバーセキュリティメッシュを実現するためにはオンプレミスからクラウドまで幅広い領域で複数のセキュリティソリューションを使いこなしていく必要がある。しかしサイバーセキュリティの専門家や専門知識が不足している現状や、複数のソリューションを導入するなどの資金がないといった問題がこの実現を阻む要因だという。
Global Market Insightsはサイバーセキュリティメッシュ市場の主要プレイヤーとしてBAE SystemsやCato Networks、Cisco Systems、Exium、Forcepoint、Fortinet、GCA Technology、IBM Corporation、Mesh Security、Naoris Protocol、Oracle、Pal Alto Networks、SailPoint Technologies、Zscalerなどのベンダーを挙げている。
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