生成AIの検証環境を最短1カ月、100万円以下で構築 日立システムズが提供開始
日立システムズは生成AIの有効性を検証するパッケージ「おてがる生成AIパック」を提供開始した。最短1カ月、100万円以下で検証環境を構築する。
日立システムズは2023年12月5日、生成AI(人工知能)の導入を検討している企業に向け、生成AIの有効性を検証するパッケージ「おてがる生成AIパック」の提供を開始した。マルチクラウドソリューション「Gateway for Business Cloud」の新サービスとして提供する。
短納期かつ低価格で生成AIの有効性を検証する環境を構築
日立システムズによると、生成AIサービスを提供する事業者が増加する中、企業には生成AIを短納期かつ低価格に導入し、有効性を検証したいというニーズがあるという。しかし、費用やセキュリティなどが導入の障壁となっている。
おてがる生成AIパックは、Microsoftの「Azure OpenAI Service」を基盤に生成AIに触れたことがなくても直感的に利用できるシンプルなUIを実装している。業務効率化に向けて生成AIを導入したい顧客に対し、生成AIの有効性を検証する専用環境を短納期かつ低価格で構築する。
おてがる生成AIパックが提供する4つの機能は以下の通りだ。
- 直感的に利用できるシンプルなUI機能
- 標準チャット機能(GPTチャット機能、ボタン1つで入力された長文を要約する機能)
- 最適な回答を得られた際のプロンプト(質問や指示)をテンプレートとして登録し、再利用できる機能
- ログイン時に安心な多要素認証機能
おてがる生成AIパックの特徴は以下の通りだ。
- 短納期: パック化することで、注文から最短1カ月で生成AIを検証できる環境を提供する
- 低価格: 100万円以下(税別)での導入を実現する
- 導入後オプション: 導入後の顧客を支援するメニューを用意
日立システムズは、おてがる生成AIパックの活用例として「複雑な資料や社内規定のサマリー化」「回収した顧客アンケートの傾向分析」「自社セミナーの集客文書作成」「社内ルールに沿った報告書の作成」「過去の実績を踏まえたKPI策定のアイデア出し」などを挙げている。
同社は今後、同パックの販売目標として3年間で200社への導入を目指すとしている。自治体向け生成AIや金融向け生成AIなど業種に特化したプロンプトテンプレートやWebUIモデルを提供し、ニーズに細やかに対応しながらサービス拡大を図り、顧客の生成AIの活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。
関連記事
- 生成AIの活用法、日本と世界でどう違う? グーグルが発表
グーグルが生成AI「Bard」の日本語版での活用法トップ10を発表した。英語版との比較から、日本と海外の生成AIへの向き合い方の違いが浮き彫りになった。 - ポーラ・オルビスホールディングスが取り組むAI人材育成 現場の声は
ポーラ・オルビスホールディングスがAI人材育成を進める。非IT人材にプログラミングの基礎から本格的なデータ分析の手法までを教育し、業務課題の解決につなげている。データ分析やAI人材育成をテーマに執筆活動などを幅広く手掛ける筆者が研修の企画者と受講者にそれぞれの感触を聞いた。 - 「マルチモーダルなAI」とは? 生成AI活用をレベルアップさせる利用術を紹介
生成AIを業務で活用しようとしているけれども、なかなかうまくいかない――。そんなお悩みを抱える方に、筆者が今週お届けするのは「マルチモーダル」です。テキストだけでなく、画像や音声、動画など複数種類のデータを読み込ませることで、生成AIの活用はどのように「レベルアップ」するのでしょうか。 - サイバー攻撃者はなぜ生成AIを使うのか? 得られる2つのアドバンテージ
生成AIをサイバーセキュリティに利用する取り組みが進んでいる。ただしこれは防御側だけではなく、サイバー攻撃者にとっても同様だ。生成AIを悪用したサイバー攻撃の動向を識者に聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.