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Kali Linuxの最新版「2023.4」が公開 Raspberry Pi 5サポートなどを強化:セキュリティニュースアラート
Offensive Securityは、セキュリティ専門家向けに設計されたKali Linuxの最新版「Kali Linux 2023.4」を公開した。AWSとAzureのマーケットプレースに向けた「Kali Linux AMD64」と「Kali Linux ARM64」を発表している。
Offensive Securityは2023年12月5日(現地時間)、「Kali Linux」の最新版となる「2023.4」をリリースした。
Kali Linux 2023.4の新機能と変更点は?
Kali Linuxはペネトレーションテストやセキュリティ監査などを目的としたLinuxディストリビューションだ。セキュリティ監査やペネトレーションテスト、フォレンジック分析、リバースエンジニアリングなどに必要となる数百のセキュリティツールが最初からインストールされている他、ARMなどさまざまなハードウェアで動作するという特徴がある。
Kali Linux 2023.4の主な変更点は以下の通りだ。
- 「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」のマーケットプレース向けに「Kali Linux AMD64」および「Kali Linux ARM64」を提供開始
- 「Vagrant」を使用した「Hyper-V」のサポートを実現
- 最新の「Raspberry Pi 5デバイス」をサポート
- 「GNOME 45」を搭載(多くの更新されたアプリでフルハイトサイドバーに対応、改善された設定アプリ、カラーが更新されたテキストエディタ、更新されたUIテーマ、更新されたgnome-shell拡張機能、新しいワークスペースインジケーターを含む更新されたシェルなど)
- ミラービットの背後で何が起こっているのかを把握する更新された内部インフラストラクチャ
- 各種パッケージやツールのアップデート
この他、以下のツールが新しく追加された。
- cabby: TAXIIクライアント実装
- cti-taxii-client: TAXII 2クライアントライブラリ
- enum4linux-ng: 追加機能を備えたenum4linux次世代バージョン(Sambaを介して情報を抽出するツール)
- exiflooter: 画像URLやディレクトリからジオロケーション検索するツール
- h8mail: 電子メールによるOSINTおよびパスワード侵害ハンティングツール
- Havoc: 最新で順応性のあるエクスプロイト後のコマンドと制御のフレームワーク
- OpenTAXII: TAXIIサーバの実装
- PassDetective: シェルコマンドの履歴をスキャンし、誤って書き込まれたパスワードやAPIキー、シークレットを検出するツール
- Portspoof: 全ての65535 TCPポートの開放やサービスエミュレート
- Raven: 軽量なHTTPファイルアップロードサービス
- ReconSpider: 最先端OSINTフレームワーク
- rling: RLI Next Gen(Rling)、より高速なマルチスレッド、機能豊富なrliの代替
- Sigma-Cli: Sigmaルールを一覧表示してクエリ言語に変換
- sn0int: 半自動OSINTフレームワークおよびパッケージマネジャー
- SPIRE: ソフトウェアシステム間の信頼を確立するためのAPIのツールチェーン
すでにKali Linuxを実行している場合、規定の方法でクイックアップデートを実行できる。
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