Fortinetが生成AIアシスタント「Fortinet Advisor」を発表 SecOpsチームの業務を支援:セキュリティソリューション
Fortinetは生成AIアシスタント「Fortinet Advisor」を発表した。セキュリティ運用チームの支援に利用でき、迅速な脅威調査と修復を可能にする。
Fortinetは2023年12月11日(現地時間)、新製品である生成AI(人工知能)アシスタント「Fortinet Advisor」を発表した。
Fortinet Advisorは顧客を保護し、ビジネス運営を健全に維持するために設計された最新のサービスだ。初期リリースはセキュリティ運用(SecOps)チームのサポート指導に利用でき、従来よりも迅速な脅威の調査と修復が可能になる。
生成AIとFortiSIEM、FortiSOARの連携で生まれる価値とは?
本稿執筆時点でFortinet Advisorは同社のSIEM(Security Information and Event Management)ソリューション「FortiSIEM」およびSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)ソリューション「FortiSOAR」で利用可能だ。
Fortinet Advisorがセキュリティ運用チームに提供する主な特徴は以下の通りだ。
- アラートを迅速に分析してコンテキストや潜在的な影響を含む理解しやすいインシデント概要を数秒以内に生成して提供する
- アナリストは洞察を自然言語で入力することで有用な結果を得るための正確なクエリを取得できる
- 脅威への対応として脅威修復計画を提案する。リアルタイムアナリストからのフィードバックに基づいて対応計画を調整することも可能となる
- プレイブックテンプレートを生成してプロセスを実行可能な計画に変換できる
Fortinetは「すでに同社のセキュリティオペレーションソリューションによって顧客が脅威の特定および封じ込めに必要な時間を20日以上から1時間未満に短縮した他、調査と修復のタイムラインを18時間以上から15分以下へと短縮した」と発表している。
ここにFortinet Advisorが加わることでコンテキストを意識したインシデント分析や修復ガイダンス、プレイブックテンプレートなどの重要な情報を数秒以内に自然言語で提供することが可能となり、セキュリティ運用チームが検出および対応にかける時間をさらに短縮して組織全体のリスク態勢を改善できるという。
Fortinetの創立者でありプレジデント兼CTO(最高技術責任者)を務めるマイケル・シエ氏は「ネットワークと生成AIの利点を組み合わせることで、セキュリティチームの生産性を向上させ、脅威の検知と緩和を促進できる」とコメントしている。
Fortinetはすでに40を超えるAIを活用した製品ポートフォリオを保持しており、今回新しく生成AIを活用したアシスタント機能が追加されたことになる。
関連記事
- サイバー攻撃者はなぜギャンブル業界を狙うのか? お金だけじゃないその理由
サイバー攻撃者は近年、ギャンブル業界を標的にしたランサムウェア攻撃を仕掛ける傾向にある。一体なぜこの業界が狙われているのか。理由は金銭だけではないようだ。 - Microsoftが批判を受けてサイバー戦略を全面的に見直し 3つの大きな変更とは?
Microsoftはセキュリティ・バイ・デフォルトを採用するためにサイバー戦略を大幅に刷新した。この計画は2023年のはじめに、同社がセキュリティ機能に関する追加の課金を顧客に対して行い、大きな反発を受けた後に発表された。 - サイバーレジリエンスを俯瞰しよう 310ページに及ぶNIST資料を分かりやすく解説
“サイバーレジリエンス”と一口に言っても、その目的や実現するための手法はさまざまで全体像をつかむのも一苦労です。そんな皆さんの悩みを解消するため、筆者が310ページに及ぶドキュメントをかみ砕いて解説します。 - CISOを目指すなら「信頼」を積み上げろ 上司と部下から信頼を集める秘訣
CISOを目指すのなら、漠然とした目標を並べるのではなく、リーダーや同僚、チームという3つの重要な関係者に対して「信頼」を提供することに注力すべきだ。信頼を積み上げることでどのようなメリットがあるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.