ISC2とIBMがセキュリティ専門家育成に向けたトレーニングコースを提供:セキュリティニュースアラート
ISC2とIBMがサイバーセキュリティスペシャリスト・プロフェッショナル認定コースを開始した。4カ月間の初級レベルトレーニングコースを提供し、サイバーセキュリティのキャリア構築を目指す人に教育を提供する。
IT専門家向けのソーシャルコミュニティー「TechRepublic」は2024年2月14日(現地時間)、ISC2とIBMが共同で「IBM and ISC2 Cybersecurity Specialist Professional Certificate」というサイバーセキュリティスペシャリスト向けのプロフェッショナル認定コースを開始したと発表した。
ISC2とIBMが共同で提供するトレーニングコースの中身は?
このコースは4カ月間の初級レベルトレーニングコースとされており、サイバーセキュリティスペシャリストとしてのキャリアを積むための教育を受けられる。
IBM and ISC2 Cybersecurity Specialist Professional Certificateで学べる主な内容は以下の通りだ。
- セキュリティの原則
- インシデント対応
- 事業継続と災害復旧
- アクセス制御の概念
- ネットワークセキュリティとセキュリティ運用
サイバーセキュリティ業務には高い需要があり、依然として人材が不足している。ISC2はサイバーセキュリティ専門家の需要と供給のギャップは2023年には400万人に達したと指摘するとともに、全ての組織の潜在的に脆弱(ぜいじゃく)な資産を効果的にカバーするためには労働力を73%増やす必要があると説明している。2023年10月に発表された米国労働省(DOL)の見解によると、セキュリティアナリストは2022〜2032年までの10年間で需要の高いIT職種の一つであるという。
ISC2で最高経営責任者(CEO)を務めるクレア・ロッソ氏は「熟練したサイバー人材がすぐにでも必要とされている。今回のパートナーシップによって意欲的なプロフェッショナルは技術的な熟練度を証明し、スキルの強固な基盤を構築できる」と述べた。
「世界中の組織が経験するサイバーセキュリティ人材確保の最も根強い課題の一つは、適切なスキルと適性を持ち、仕事を通じて学び成長できるエントリーレベルやジュニアレベルの候補者を見極めることだ。そしてキャリアの浅い希望者はサイバーセキュリティの概念を理解していることを示せず、採用担当者の注目を集められない。この認定は雇用者や採用希望者、サイバーセキュリティ業界全体にとってWin-Win-Winをもたらす」(ロッソ氏)
受講者は12コースの認定プログラムを修了することで熟練度を示すIBMデジタル・スキル・バッジを受け取れる他、「ISC2 Candidates」に登録してISC2の「Certified in Cybersecurity」テストを受けることで履歴書や面接でスキルを証明できる。全世界で36万人以上がCertified in Cybersecurity認定トレーニングに登録している。
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