Copilot for Securityの一般提供が4月1日から開始 従量課金制でより利用しやすく:セキュリティソリューション
Microsoftは2024年4月1日から生成AIソリューション「Microsoft Copilot for Security」を一般提供すると発表した。従量課金制でセキュリティアナリストを支援する複数の機能を提供する。
Microsoftは2024年3月13日(現地時間、以下同)、同年4月1日に生成AI(人工知能)ソリューション「Microsoft Copilot for Security」(以下、Copilot for Security)の一般提供を全世界で開始すると発表した。
Copilot for Securityが提供する機能と利用者のフィードバック
サイバー攻撃の脅威はますます深刻度を増しているが、これに対応するセキュリティ人材は慢性的に不足している。生成AIの活用によるセキュリティ運用業務などの支援はこの状況を改善する大きな原動力になると期待されている。
Copilot for Securityの一般提供に合わせて以下の新機能の導入が予定されている。
- カスタムプロンプトブックを使用することで一般的なセキュリティワークストリームとタスクに対して独自の自然言語プロンプトの作成および保存を提供する
- ナレッジベースの統合によってCopilot for Securityをビジネスロジックと統合し、独自のステップ・バイ・ステップガイドに基づいたアクティビティーの実行を提供する
- 多言語に対応しており、8カ国語でプロンプトを処理し、25カ国語の多言語インタフェースで応答できるため、北米や南米、欧州、アジアの全ての主要地域で利用できる
- 「Microsoft Defender外部攻撃面管理」からキュレーションされた外部攻撃対象領域に接続して組織の最新のリスク情報を特定して分析を実施する
- 「Microsoft Entra ID」内の監査および診断ログによって、特定のユーザーやイベントに関連する監査ログのセキュリティ調査や、ITにおける問題分析に役立つ追加の分析情報を自然言語で要約して提供する
- 使用状況レポートによって、チームのCopilot for Securityの利用状況を分析した情報を提供する
- グローバルパートナーからのサードパーティー統合を提供する
MicrosoftはCopilot for Securityに対して従量課金制のライセンスモデルも提供するとしている。このライセンスモデル導入によって幅広い組織がCopilot for Securityにアクセスできるようになり、すぐに利用を開始し、ニーズと予算に応じて使用量とコストをスケーリングできると説明している。
なお、Microsoftの調査によると、Copilot for Securityを利用した経験豊富なセキュリティ専門家は以下のフィードバックを返したという。
- 経験豊富なセキュリティアナリストは、Copilot for Securityを使用すると業務が22%高速化した
- Copilot for Securityの使用によって、全てのタスクにわたって精度が7%向上した
- 97%が「次回同じタスクを実行するときにCopilot for Securityを使用したい」と回答した
Microsoftは「Copilot for Securityは6つの製品ファミリーに含まれる50以上のカテゴリーを統合し、Microsoftのセキュリティポートフォリオ全体を強化する」とし、「セキュリティやコンプライアンス、アイデンティティー、デバイス管理、プライバシーなどあらゆる角度から環境を保護できるようになる。AIの時代には統合ソリューションがこれまで以上に重要になる」と指摘した。
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